〜エコ商品の消費促進効果くっきり〜
「エコを意識して買い替え」が57%
耐久消費財の「エコに関する買い替え行動調査」より
耐久消費財の買い替えのうち18%が消費行動を促進させ、半数以上の57.2%の人が耐久消費財の買い替えでエコを意識した商品を購入している。このような調査結果が、ブランド総合研究所が行った「エコに関する買い替え行動調査」から明らかになりました。
この調査は、家電や車などの耐久消費財を実際に買い替えた1,248人(男女、および20代〜50代の年代別にほぼ均等になるように回収)が、実際に過去3年以内に買い替えを行った3,244商品の購買行動を対象に行ったもので、9月26日から29日までインターネットにて実施しました。
その結果、耐久消費財の買い替えの際に、エコ意識が積極的な買い替えのきっかけになったケース(9.9%)や、購入のタイミングが早まったケース(8.1%)など環境負荷の少ない商品の登場が、消費行動を促進させているという実態が明らかになりました。これら以外にも「エコに配慮した商品を選んだ」(39.2%)というケースも多く、合計すると買い替え行動の半数以上でエコが意識されています。また、これらの買い替えを行う際に最も重視した点としては「省エネ/省資源(78.5%)」が最も多く、「運用コストや光熱費の安さ(41.0%)」がそれに続きます。一方で、「安全性(19.8%)」や「静寂/低音量(18.9%)」なども購入原因になっているようです。
■環境負荷軽減のための買い替えが進む
耐久消費財を買い替えた際に、環境負荷を軽減するために買い替えるということを考慮したかを聞いたところ、「エコ(環境)に配慮して積極的に買い替えた」が9.9%、「(エコに配慮して)買い替えのタイミングが早まった」が8.1%、「(買い替えのタイミングは変わらないが)、エコに配慮した商品を選んだ」が39.2%と、半数以上(計57.2%)の人がエコを意識して商品の買い替えを行ったという結果になりました。特に、「積極的に買い替えた」と「買い替えのタイミングが早まった」の合計18.0%の人は、環境負荷の少ない商品の登場で消費(購入)が促進されたことになります。つまり、企業が発売する環境負荷の少ない商品が、消費市場を活性化する効果があるといえます。
(右グラフは過去3年間に耐久消費財を買い替ええた人1,248人が実際に購入した3,244商品において集計した結果)
問 商品を買い替える際に、環境負荷を軽減するために買い替えるということを考慮しましたか。 |
|
なお、これらの結果を商品別で分析してみると、エコ商品によって買い替えが促進された割合が高いのは給湯システム(43.8%)。次いでエアコン(27.0%)、照明器具(26.6%)、キッチン(24.2%)、窓ガラス・壁・遮光カーテンなど(22.6%)と続きます。
一方、回答者1,248人のなかで実際にエコによって買い替えが促進された人数が多いのは照明器具で114人。これは回答者の9.1%に相当します。
以下、エアコン(69人、5.5%)、車(60人、4.8%)が多いという結果になりました。(次ページの表参照)
問 商品を買い替える際に、環境負荷を軽減するために買い替えるということを考慮しましたか。
|
買い換えた人数 |
エコに配慮して積極的に買い替えた(A) |
エコに配慮して、買い替えのタイミングが早まった(B) |
買い替えのタイミングはかわらないが、エコに配慮した商品を選んだ |
エコに配慮した商品を選んでいない |
エコ商品が買い替えを促進した人(A+B) |
N |
N |
% |
N |
% |
N |
% |
N |
% |
N |
% |
照明器具(電球含む) |
429 |
80 |
18.6 |
34 |
7.9 |
187 |
43.6 |
128 |
29.8 |
114 |
26.6 |
エアコン |
256 |
39 |
15.2 |
30 |
11.7 |
133 |
52.0 |
54 |
21.1 |
69 |
27.0 |
車 |
403 |
32 |
7.9 |
28 |
6.9 |
171 |
42.4 |
172 |
42.7 |
60 |
14.9 |
テレビ |
415 |
21 |
5.1 |
37 |
8.9 |
149 |
35.9 |
208 |
50.1 |
58 |
14.0 |
冷蔵庫 |
280 |
31 |
11.1 |
22 |
7.9 |
154 |
55.0 |
73 |
26.1 |
53 |
18.9 |
電子ポット、鍋、調理器 |
253 |
28 |
11.1 |
19 |
7.5 |
90 |
35.6 |
116 |
45.8 |
47 |
18.6 |
パソコン/プリンタなど |
557 |
20 |
3.6 |
25 |
4.5 |
123 |
22.1 |
389 |
69.8 |
45 |
8.1 |
洗濯機 |
291 |
18 |
6.2 |
26 |
8.9 |
140 |
48.1 |
107 |
36.8 |
44 |
15.1 |
キッチン(IH、コンロなど) |
120 |
11 |
9.2 |
18 |
15.0 |
41 |
34.2 |
50 |
41.7 |
29 |
24.2 |
給湯システム |
64 |
17 |
26.6 |
11 |
17.2 |
24 |
37.5 |
12 |
18.8 |
28 |
43.8 |
窓ガラス、壁、遮光カーテンなど |
115 |
19 |
16.5 |
7 |
6.1 |
40 |
34.8 |
49 |
42.6 |
26 |
22.6 |
住宅 |
40 |
3 |
7.5 |
4 |
10.0 |
19 |
47.5 |
14 |
35.0 |
7 |
17.5 |
その他 |
21 |
1 |
4.8 |
2 |
9.5 |
1 |
4.8 |
17 |
81.0 |
3 |
14.3 |
全商品合計 |
3,244 |
320 |
9.9 |
263 |
8.1 |
1,272 |
39.2 |
1,389 |
42.8 |
583 |
18.0 |
(表の並びは「エコ商品が買い替えを促進した」人数の多い順)
(%は各商品を買い替えた人における割合)
■7割が買い替えの効果を実感
問 その後、使用してみて、実際に買い替えは効果があったと感じていますか |
|
N=1855(商品数。前問で「エコに配慮した商品を選んでいない」と答えた商品を除く) |
では、こうした買い替えを行った結果、実際に買い替えは効果があったと感じているかを聞いてみました(「エコに配慮した商品を選んでいない」と答えた商品を除く)。
その結果、全回答(1,855商品)では「とても効果があった」と答えたのは24.2%で、「少し効果があった」は43.9%と、合計で68.1%が買い替えの効果を感じているという結果になりました。
一方、「あまり効果がない」「まったく効果がない」と答えた回答は計1.9%にすぎず、エコを意識して買い替えた効果を非常に多くの人が実感しているようです。
■買い替えの最重視点は「省エネ/省電力」
問 買い替えの際、商品に対しどのようなエコの視点を重視しましたか(複数回答可) |
|
N=1855(商品数。前問で「エコに配慮した商品を選んでいない」と答えた商品を除く) |
では、その買い替えの際にどのような点を重視したのでしょうか。右のグラフは実際に買い替える際に、どのような環境関連の視点を重視したかを聞いた結果です(複数回答可)
その結果、最も多かったのは「省エネ/省資源」で78.5%が重視しています。次に多かったのは「運用コストや光熱費の安さ」で41.0%。
一方で、「安全性」や「静寂/低音量」などもいずれの2割弱の人が重視しており、金銭的なもの以外の視点も買い替えにおける商品選択のポイントになっているという結果になりました。
これらの重視点が商品によってどのように異なっていたかを分析したのが下の表です。
「省エネ/省電力」はほとんどすべての商品で重視されましたが、洗濯機の場合は「省エネ/省電力」より「省資源/節水」(76.1%)の方が高く、車の場合は「低CO2」(60.6%)の方が高いという結果になりました。
買い替えの際に重視した点(商品分野別、複数回答可)
商品分野 |
1位 |
2位 |
3位 |
照明器具(電球含む) |
省エネ/省電力(91.7) |
運用コスト等(51.2) |
安全性(15.6) |
エアコン |
省エネ/省電力(93.6) |
運用コスト等(46.0) |
低CO2(31.0) |
車 |
低CO2(60.6) |
省エネ/省電力(56.7) |
運用コスト等(40.7) |
テレビ |
省エネ/省電力(85.5) |
運用コスト等(33.3) |
省スペース(30.4) |
冷蔵庫 |
省エネ/省電力(89.9) |
運用コスト等(44.9) |
静寂/低音量(27.1) |
電子ポット、鍋、調理器 |
省エネ/省電力(77.4) |
運用コスト等(47.4) |
安全性(19.0) |
パソコン/プリンタなど |
省エネ/省電力(72.6) |
省スペース(31.0) |
リサイクル(28.0)
静寂/低音量(28.0) |
洗濯機 |
省資源/節水(76.1) |
省エネ/省電力(69.6) |
静寂/低音量(42.4) |
キッチン(IH、コンロなど) |
省エネ/省電力(62.9) |
運用コスト等(52.9) |
安全性(42.9) |
給湯システム |
省エネ/省電力(71.2) |
運用コスト等(65.4) |
安全性(28.8) |
窓ガラス、壁、遮光カーテンなど |
省エネ/省電力(62.1) |
運用コスト等(37.9) |
有害物質の不使用(16.7) |
住宅 |
省エネ/省電力(61.5) |
安全性(42.3) |
運用コスト等(23.1) |
(サンプル数Nは商品分野ごとに異なり、前ページの表に記載した商品ごとの「買い替えた人数」と同じ)
■今後の買い替え意向が高いのは「照明器具」「エアコン」「車」
問 あなたが現在お使いの商品(製品)に対し、エコを考えて買い替えようと思いますか |
|
今後、エコを意識した商品に買い替える意向はどれくらいあるのでしょうか。
右のグラフは今後買い替える意向を商品別に聞いた結果です。
「すぐにでもエコのために買い替えたい」および「買い替え時期を早めたいと思う」と答えた人の割合が最も多かったのは照明器具(電球を含む)で、16.9%でした。
次に多かったのはエアコンで同13.2%、車で同12.3%という順。今後もエコ商品が消費者の消費意欲を高め、その結果消費市場のけん引役として貢献する可能性が高いようです。
<調査の概要> |
調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象者 |
調査モニターより全国47都道府県別に約400名(男女ほぼ同数) 計約20,000名を抽出 |
回収対象者 |
3年以内に耐久消費財を買い替えた人
|
有効回答数 |
1,248人 (実際に買い替えた商品は計3,244) |
設問数 |
消費者のエコ行動、回答者属性など計18問
|
調査期間
|
2008年9月26日〜2008年9月29日 |
<結果概要について>
今回の調査の詳細な結果は「調査報告書」として2008年10月20日より発行・販売いたします。
商品名 : 『エコに関する買い替え行動調査』 調査報告書
販売価格 :270,000円(消費税込)
<ブランド総合研究所の会社概要>
企業ブランドおよび地域ブランドの調査とコンサルティングを行う専門企業。 ブランド戦略の理解・普及活動、戦略立案、調査などを実施。有力企業560社を対象とした「環境ブランド調査」(日経BP社)の設計、分析等を担当するなど、環境面での調査に関しても積極的に行っています。
■株式会社ブランド総合研究所について
株式会社ブランド総合研究所
代表者:代表取締役社長:田中章雄
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目8番5号
設立:2005年11月21日
資本金:2500万円
主な事業内容:地域、および企業のブランドの戦略立案、構築、管理業務
ホームページ: http://tiiki.jp/