■地域ブランド用語集
第6回「伝統工芸品」
伝統工芸品とは、一般的には生活の道具として手工業により製造されるものを指す。布製品、陶磁器、漆器、木工品、紙製品、金属工品、石工品などがある。日本の伝統工芸品の数は現在、約1200品といわれ、従事者数は約14万人、生産額は約8000億円。地域としては京都府、石川県、東京都、愛知県などに多い。
経済産業省は京友禅、九谷焼、輪島塗など211品を「伝統的工芸品」に指定している。これは「工芸品の特長となっている原材料や技術・技法の主要な部分が今日まで継承されていて、その持ち味を維持しながらも、産業環境に適するように改良を加えたり、時代の需要に即した製品作りがされたりしている工芸品」という意味だ。伝統的工芸品の生産額のピークは1984年の5237億円。その後、2006年には1773億円まで落ち込んだが、「和」の暮らしや「ものづくり」に対する再評価によって価値が見直されている。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2010年8月8日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ 」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。