■地域ブランド用語集
第22回「アンテナショップ」
東京にある各都道府県のアンテナショップが人気だ。百貨店やスーパーが扱わないご当地の産品を求める主婦やビジネスマンでにぎわっている。週末の午後は入りきれない店もある。また、地方都市には市町村が運営するショップがある。
かつては行政が直営するケースが多かったが、指定管理者制度の導入で店づくりや仕入れ、サービスなどの質を高め、経費も抑制し、収益が改善しているところが多い。ただ、丸の内、銀座、新宿などの繁華街に立地するため、賃貸料が大きな負担となってい店も少なくない。
本来、アンテナショップは物産展と異なり、売り上げそのものが目的でなく、市場動向や消費者ニーズ、商品に対する評価などを探る「アンテナ」やPR拠点としての機能が重要であるはずだ。多くの場合、その機能や情報が参加事業者などに十分にフィードバックされる仕組みになっていないのが課題である。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2010年11月29日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。