■地域ブランド用語集
第23回「農産物直売所」
もともとは農家が自分の畑や自宅の隣接地で小規模に販売してきたもので、全国に1万3000施設以上ある。1993年から各地の主要道路沿いに設置した「道の駅」に、地域の農産物の直売コーナーが出店されるようになり注目を集めた。農協直営店や都市住民参加型の市場「マルシェ」など様々な形態がある。
周辺地域の新鮮な農産物が比較的安価に手に入ることから、地元や周辺住民、観光客などに人気がある。農産品のほか総菜、弁当、手づくりの工芸品など商品は多岐にわたる。足湯や談話室を備え、周辺住民のコミュニティスペースとして利用される施設もある。運営方法は農家が生産した農作物などを並べ、売れた金額から手数料を引いた代金を受け取る「委託方式」が多い。少量の農産品でも出品できること、日々の現金収入につながること、直接販売する手ごたえが生きがいにつながる、などのメリットがある。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2010年12月6日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。