■地域ブランド用語集
第24回「物産展」
各地で開催される地域物産展が大人気だ。百貨店の物産展で集客力が大きいのが北海道。山形屋(鹿児島市)の北海道物産展は8億3700万円、来場者数は20日間に63万人と、他の店を大きく上回る。担当者6人が数カ月前から北海道をレンタカーで走り回って仕入れる。輸送費圧縮などにより地元価格で提供するのが秘訣で、不況下でも人気は衰えない。
物産展は百貨店やスーパーのほかに、駅、空港、道の駅、高速道路のサービスエリア、商店街、行政イベントなど、さまざまな場所で開かれるようになった。人気があるのは地域の食材を使うこだわりの商品で、一般的な食品より価格はかなり高めだ。ご当地グルメに関連したものや、スイーツなどの人気が特に高い。出品者が販売スタッフを用意するケースが多いため、販売手数料のほかに、スタッフの人件費や交通費などの負担がかかることが課題となっている。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2010年12月12日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。