■地域ブランド用語集
第28回「関あじ・関さば」
大分市の佐賀関で水揚げされる全体が黄金色がかったアジとサバ。「速吸の瀬戸」と呼ばれる豊予海峡は、豊富な餌と潮流の速さからほどよく太り、身も引き締まっている。伝統的な一本釣り漁なので、魚同士がぶつからず身が傷つきにくい。釣ったあといけすに放つ、手を触れず重さを量らない「面買い」でセリをする、出荷直前に生けじめされるなど、品質維持へ徹底した努力がされている。
平松守彦・元県知事のトップセールスや、漁業協同組合員が料亭などに直接出向き、調理人の前でさばいて試食する取り組みが実り「刺し身で食べられるサバ」として広く認知された。出荷時、1匹ずつ尾に扇形のタグ(1996年商標登録)をつけたり、関あじ・関さばを使う料理店に「特約加盟店」の看板を掲示したりとブランドの保護・育成につとめ、2006年10月には「関あじ」「関さば」がそれぞれ地域団体商標として登録された。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2011年1月17日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。