■地域ブランド用語集
第29回「ももいちご(栽培方法に工夫、1粒千円にも)」
徳島県佐那河内村でつくられている大粒でジューシーで香りがよく、1粒1000円以上の値がつく高級イチゴ。1992年にJA徳島市佐那河内支所と、大阪中央青果との共同プロジェクトとして開発された。徳島県佐那河内村の約30軒の農家のみで栽培され、年間約140トンが生産されている。
同村は徳島県中東部の山間に囲まれた盆地状の狭い地域で、平野部よりも日照時間が短く、昼夜の温度差が大きい。実が赤く色づくまでに日数を要する条件が幸いし、大きないちごを育てられる。また、1株に4〜5個の実を順次つけるように摘花し、地面に着かないようにスノコの上で育てるなど栽培方法にも工夫を凝らしている。
地元徳島県と大阪中央青果でのみ販売しているが、特に高級果物店や百貨店、インターネット通販等で人気が高い。果肉が赤くて甘みの強い新品種「さくらももいちご」は8軒の農家が栽培しており、稀少性が高くさらに人気が高い。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2011年1月24日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。