■地域ブランド用語集
第30回「富士宮やきそば」(だじゃれの力で全国区に)
B級グルメの頂点に君臨する静岡県の富士宮やきそば。硬めの蒸し麺をたっぷりのキャベツと肉かすと炒め、イワシと青のりの粉を振りかけて作る。9年間で440億円の経済効果を富士宮市にもたらすまでになった原動力は「焼きそばでまちおこし」を標榜して取り組んだ「だじゃれ」まじりのイベントだ。
2002年、市制60周年にあたり焼きそばが著名な秋田県横手市、群馬県太田市を招き「三者麺談」を開催。3市長が「一緒に焼きそばをもりあげよう」という趣旨の「三国同麺協定書」に調印し、3つの焼きそばを食べ比べる催しで知名度は一気に全国区へ。さらに焼きうどんで町おこしをしていた北九州の小倉市との対決「天下分け麺の戦い」を実施。これが「B−1グランプリ」に発展した。青森県八戸市での第1回に続き優勝した富士宮市での第2回大会では2日間で23万人を集客し、大ブームにつながった。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2011年1月31日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。