■地域ブランド用語集
第32回「蒜山ジャージー牛」
ジャージー牛は英仏海峡のジャージー島原産の乳牛。牛乳は世界の5大乳用種の中で最も乳成分が高くβ(ベータ)カロチンが多い。搾りたては淡い金色をおびていることから「黄金のミルク」と呼ばれ、英国王室御用達となっている。このジャージー牛が国内でもっとも多く飼育されているのが、中国地方有数のリゾート地、蒜山(ひるぜん)高原。岡山県北部のなだらかな傾斜に広がる約40ヘクタールの牧草地に約6000頭が放牧されている。
ジャージー牛の特徴が最も良く表れるのが成分無調整牛乳だ。平均乳脂肪分は通常の牛乳が3.5%なのに対し、5%以上。この牛乳からつくったソフトクリームやプリン、生クリームを使ったケーキも味が濃く人気だ。ジャージー牛の肉も人気急上昇中。鉄分(ヘム鉄)を含んでいるため色合いが濃く、うまみも強い。脂成分が少ないためヘルシーでありながらやわらかいという特徴がある。
(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
※当記事は、2011年2月13日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。