全国各地で地域ブランドへの取り組みが高まっているが、その内容を調べてみると、大きく次の3つに分けることができる。
- 地域ブランドを作る (構築)
- 地域名を使って商品化する (活用)
- 地域ブランドを守る(管理)
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地域ブランドを作る(構築)は、まだブランドとして確立していない地域が、新しい商品などによって地域の認知度やイメージを高め、それをブランドとして構築していこうという取り組みだ。各地域における地域ブランドへの取り組みは、今はこの段階にあるというケースが最も多い。つまり、地域活性化のために新たに地域ブランドを構築しようというものである。
地域名を使って商品化する(活用)は、すでにその地域の認知度やイメージが確立しているため、そのイメージにあった商品開発を進めていこうという取り組み。例えば四万十川、飛騨高山などのように、日本中に自然資源や歴史的建造物などの観光資源、地域の名産品、伝統工芸品などが豊富に存在している。その高い知名度とイメージを活用した商品作りなどはこのケースだ。名前が全国的によく知られている地域の場合の取り組みがこれにあたる。
地域ブランドを守る(管理)は、粗悪品や偽ブランド品などによってブランド価値が低下しないような仕組みを作り、商標などの権利で守ることだ。商標法の改正で地域ブランドの商標が登録しやすくなることで、こうした管理手法も大きく変わってきている。
地域ブランド戦略に取り組むにあたり、自らの地域のブランドへの取り組みは、上記の3つの段階において、それぞれどのような状況であるかを把握することが先決である。もちろん、どれひとつかけても強い地域ブランドにはならない。それだけに、この3つの視点からブランド戦略がうまく実行されているかを確認することが重要である。
地域ブランドと、地域ブランド商品、それに上記の3つの取り組みの関係を図式化した。次章以降ではこれら3つの取り組みについて順に説明する。