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地域ブランド調査2007より
特別分析レポート第1回 都道府県ランキング

■都道府県別ポイント算出方法

 各都道府県内における上位5市区町村スコアの平均値とした。ブランドは、強いブランドに引っ張られる傾向がある。言い換えると、ブランドシンボルなど強いブランドが広い概念のブランドを引き上げる効果があるため、今回の都道府県スコア算出においては、上位の5市区町村の平均を、都道府県のブランド力とした。
( 魅力度=「とても魅力的」「やや魅力的」「どちらともいえない」「あまり魅力的ではない」「全く魅力的ではない」の中から選択してもらい、それぞれの回答結果を加重平均して算出している。)

■県別魅力度ランキング1位は北海道

 県別魅力度ランキング1位は北海道で47.8ポイントであった。2位以下に10ポイント以上の差をつけている。県内1位の札幌市は、全国1000市区町村内でも1位にランクインしている。2位は神奈川県で37.1ポイント。県内1位の横浜市は全国順位3位であった。1位の北海道同様、魅力度以外の各指標(居住・観光・産品)が10位以内にランクインしており、ブランド力の強さがうかがえる。
 3位は兵庫県で30.1ポイント、県内1位の神戸市は全国順位6位であった。 一方1000市区町村中2位にランクインした京都市のある京都府は、県別魅力度ランキングでは8位と後退している。

■25市区町村が県庁所在地以外がトップに

 それぞれの県内の1位の市区町村をみると、必ずしも県庁所在地が上位にランクインしていない県がある。長野県、静岡県、岐阜県など46(東京都は除く)のなかで25県において県庁所在以外の市区町村がトップとなっている。

 

【表1】都道府県別魅力度ランキング

魅力度

居住 観光 産品  上位50位の市区町村数
順位 都道府県  ポイント  都道府県内1位
の市区町村
( )は全国順位
居住
意欲度
観光
意欲度
食品 食品以外
1 北海道 47.8 札幌市 ( 1 ) 2 1 1 3 7
2 神奈川県 37.1 横浜市 ( 3 ) 1 3 5 9 5
3 兵庫県 30.1 神戸市 ( 6 ) 3 5 8 20 4
4 東京都 29.4 渋谷区 ( 19 ) 4 9 42 22 6
5 沖縄県 25.6 那覇市 ( 11 ) 5 2 12 13 2
6 長野県 25.2 軽井沢町 ( 10 ) 6 4 16 30 2
7 静岡県 23.3 伊豆市 ( 25 ) 7 5 2 17 3
8 京都府 21.4 京都市 ( 2 ) 8 11 7 8 1
9 石川県 20.9 金沢市 ( 9 ) 11 10 37 2 2
10 岐阜県 18.9 飛騨市 ( 23 ) 15 11 30 5 2
11 福岡県 18.1 福岡市 ( 14 ) 10 17 14 16 1
12 千葉県 17.1 浦安市 ( 26 ) 9 18 22 35 1
13 鹿児島県 17.0 鹿児島市 ( 60 ) 15 8 29 30 0
14 長崎県 16.7 長崎市 ( 16 ) 25 11 19 25 1
15 栃木県 16.5 日光市 ( 21 ) 19 19 20 6 1
15 三重県 16.5 伊勢市 ( 46 ) 29 14 11 10 テキスト ボックス:  
テキスト ボックス:  
1
17 愛知県 15.8 名古屋市 ( 15 ) 13 36 13 4 1
18 大分県 15.7 別府市 ( 18 ) 14 16 40 26 1
19 岡山県 15.5 倉敷市 ( 17 ) 11 24 34 7 2
20 青森県 15.4 弘前市 ( 51 ) 35 7 4 22 0
21 福島県 15.1 会津若松市 ( 27 ) 35 20 17 15 1
22 宮城県 14.9 仙台市 ( 12 ) 19 23 3 35 1
23 山口県 14.6 下関市 ( 44 ) 19 20 28 17 1
24 高知県 14.4 高知市 ( 79 ) 18 15 21 45 0
25 奈良県 14.3 奈良市 ( 13 ) 22 31 44 22 1
26 大阪府 14.0 大阪市 ( 27 ) 15 40 35 26 1
27 島根県 13.6 出雲市 ( 47 ) 32 29 41 38 1
27 広島県 13.8 尾道市 ( 31 ) 23 27 26 29 1
29 新潟県 13.2 佐渡市 ( 121 ) 37 20 5 11 0
30 熊本県 12.9 熊本市 ( 71 ) 27 25 31 42 0
31 滋賀県 12.7 草津市 ( 118 ) 30 35 45 35 0
32 山梨県 12.3 南アルプス市 ( 79 ) 27 26 8 40 0
33 和歌山県 12.0 白浜町 ( 103 ) 26 31 23 32 0
33 宮崎県 12.0 宮崎市 ( 83 ) 23 30 23 42 0
35 岩手県 11.8 盛岡市 ( 75 ) 39 34 27 38 0
36 茨城県 11.7 水戸市 ( 115 ) 33 42 31 14 0
37 香川県 10.3 小豆島町 ( 92 ) 38 39 17 45 0
37 佐賀県 10.3 伊万里市 ( 121 ) 41 37 46 1 0
39 山形県 10.1 米沢市 ( 131 ) 44 33 10 12 0
39 埼玉県 10.1 川越市 ( 161 ) 31 46 15 41 0
41 秋田県 9.6 湯沢市 ( 88 ) 43 28 25 20 0
41 愛媛県 9.8 松山市 ( 69 ) 34 41 33 26 0
43 富山県 9.4 富山市 ( 157 ) 40 37 37 32 0
44 鳥取県 8.2 米子市 ( 213 ) 41 44 39 47 0
45 群馬県 7.2 嬬恋村 ( 130 ) 44 47 47 17 0
45 福井県 7.2 越前市 ( 220 ) 44 45 36 32 0
47 徳島県 6.7 徳島市 ( 193 ) 47 43 43 44 0
 
■県のブランド力の類型

 県のブランドについて、県別魅力度ランキング上位10市について、その特徴と傾向について検討する。大きく以下の3つの型にわけることができる。

【表2】上位10県の類型
1市突出型 京都府、岐阜県(飛騨高山のイメージとしてまとめる)
複数突出型 兵庫県、長野県、静岡県、石川県
複数連携型 北海道、神奈川県、沖縄県

<1市突出型>
 県のブランドについて、企業を例に説明をすることができる。複数のブランドラインを持つ企業をみると、何か一つ、強く突出したブランドを有している企業が少なくない。このケースでは、「ブランド=企業ブランド」という評価がされている(企業ブランドを強いブランドに変更したケースもある)。具体的には、SEIKO、味の素、ヤフー、朝日新聞、ヤマハなどがあてはまる。この場合は、強いブランドを活用しつつ、サブ商品をいかに拡張していくかが重要になる。
 これを県にあてはめると、京都府が突出型の典型といえる。ただし、この強いブランドライン(市区町村)にその他のブランド(他市区町村)を、どう波及させるかが問題となる。つまり、これらの『1市突出型』の県においては、強いしく兆トンとの連携を考えることが、県としての今後の活力につながる。

<複数突出型>
 一方で、複数の強いブランドラインをもっている企業もある。具体的にあげると、松下電器(National、Panasonic)や7−i(セブンーイレブン、イトーヨーカ堂)などは、この複数のブランドがそれぞれコンセプトを明確にし、棲み分けをおこなっている。この場合、それらが何の連携もなしに存在しているのではなく、複数のブランドラインが互いに連携していることで、結果的に企業全体にとって好影響をもたらしている。
県の場合も、兵庫県、長野県などは、2〜3市区町村の強い市区町村が他の市区町村より突出して魅力度が高い。これらの複数の市区町村が、互いにどのような連携を進めるのかが、県のブランド力を高めるカギになる(もちろんすでに連携を強めている県もある)。

<複数連携型>
 そして最後に、複数の強いブランドが混在しているケース。企業では、トヨタ、ソニーなどがまさにあてはまる。つまり、企業ブランドと商品ブランドが互いに連携しているという構図である。県の場合にあてはまるのは、北海道がダントツであり、その他として、神奈川県、沖縄県などがあげられる。北海道は、札幌、函館、富良野などのそれぞれ個性の違った市があり、互いに良いイメージを出し合いながら、全体としての北海道の魅力となっている。

■都道府県・各市区町村のブランドの取り組み

 いま日本中で「地域ブランド」への取り組みが盛んになっているこれは、地域資源を十分に活用して、地域のイメージを高め地域活性化につながる商品開発やサービスの開発を行うというもの。また、一方で、地域ブランドへの取り組みとその進度は、県や各都道府県によってそれぞれ偏りがある。今回実施した地域ブランド調査2007の結果において、それぞれの地域の現状と、取り組みへの評価が明らかとなる。以降、本分析レポートによって、テーマごとに日本全国各市区町村のブランド力の傾向、および特徴的な市区町村の事例を紹介しながら、分析をおこなっていく。

地域ブランド調査2007より

2008年4月20日


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