地域団体商標
 
 

 

 

Google ホームへ

tiiki.jpを検索
ネット検索
 

このサイトは、BRI ブランド総合研究所が運営しています<会社情報> お問い合わせは専用フォームでお寄せください

BRIレポート

 ■富山で地域ブランドフォーラム開催 決め手は“一点集中型”

 このほど、富山市の北日本新聞ホールで、地域の生活空間や産品のブランド力向上を目的とした、「地域ブランドフォーラムinとやま」(中小企業基盤整備機構北陸支部、北日本新聞主催)が開催された。同フォーラムは、ご当地検定「越中富山ふるさとチャレンジ」が11月23日に実施されるのを記念して企画されたもの。地域ブランド振興のためのキーポイントが明示されるとともに、富山のブランド作りの課題や対策を中心に熱い議論が交わされた。

 
富山市のブランド力ランキング
  県内 全国
魅力度 1位 104位
認知度 1位 110位
情報接触度 1位 87位
 フォーラムは、ブランド総合研究所社長の田中章雄による「地域の魅力とブランド戦略」と題した基調講演で幕を開けた。田中は、まず「地域ブランドを確立し、たとえ高くても消費者から求められる製品やサービスを作ることが重要」と指摘した。加えて具体例では、三重県の「伊賀の里モクモクてづくりファーム」が手作りウィンナー教室など体験型イベントを取り入れるとともに、手作りのハムや地ビールにこだわって提供し続け、年間来場者34万人の一大テーマパークとなったケースを提示。顧客満足度を高めるためには、「手間をかける」、「経費をかける」、「てづくり」、「限定生産・販売」、「個性化」、「アフターサービスの充実」の“こだわり六か条”への取り組みが大切と強調した。

富山市の地域資源ランキング
  県内 全国
自然資源  2位  82位 
歴史資源  1位  86位 
モノ資源  1位  66位 
サービス資源  1位  117位 
  ※地域ブランド調査[市版]より

富山市の消費者からの評価は、全国779市でみると、魅力度、認知度、情報接触度、各種地域資源のランキングで100位前後。よい地域資源が数多くある市なので、魅力の伝え方等で工夫が求められる。

また、長野県小布施町が統一的な和風の町並みに変えたり、民家の庭を散策できるオープンガーデンを企画し、年間来場者が100万人以上の観光地に生まれ変わったケースも紹介。「こうした地域らしさもキーワード。地域らしさは古来の自然資源と歴史資源、新たに作ることができる品質・製法などモノ資源、イベントなどのサービス資源の“4つの資源”がうまく絡み合って生まれる」と説明した。

 基調講演に引き続き、「地域ブランドの話題づくりと魅力の伝え方」と題し、パネルディスカッションが開かれた。富山県農林水産部農産食品課食のブランド推進班長の作井英人氏は、「富山県では昨年、富山ブランド推進本部を立ち上げ、富山の食の魅力などを首都圏中心に発信。百貨店やスーパーと連携した試食販売などに展開している。また、JAと共同で富山米のファンクラブを設立し、現在の会員数は839人」と、説明。「合併で新しく生まれた南砺市の歴史・文化遺産などの見どころを結び、新しい観光ルート『南砺里山街道』を作ることを提案している」(南砺ヨスマ倶楽部会長の川合声一氏)、「黒部市内で生産される商品を対象とした『黒部ブランド』の推進に注力。認定商品にはシールを貼り付けPRしている」(黒部市観光協会長の島倉敏夫氏))と、各市での取り組みも報告された。

 一方で、県外からの参加となった協同組合宇都宮餃子会理事長で餃子専門店「みんみん」社長の伊藤信夫氏は、「2001年に宇都宮餃子会を設立し『宇都宮餃子』を商標登録。画一化を避けるため、値段は各店が競争し、味も店ごとに違うのが宇都宮餃子の特徴」と、「餃子の街」宇都宮の地域ブランド成功例を披露。それを受けて、「富山県民は競うことをあまり好まないが、宇都宮餃子のように複数の店が軒を連ね競争することで発展が望める」(島倉氏)、「富山の県民一人ひとりが郷土の魅力の再発見に努め、PRすることが大事。富山の食の素晴らしさを伝える“語り部”のような存在も不可欠」(川合氏)と、発言が相次いだ。田中は、「『ほかにない』というオリジナリティー、何か突出したものが消費者の評価につながる。今後はそうしたものへの一点集中型の食のブランド戦略が必要」と、富山の地域ブランド対策について助言し、パネルディスカッションを締めくくった。

関連情報:
とやま米ファンクラブ
http://www.toyamamai.com/

2006年10月27日

 


注目記事


Copyright (C) 2006-2011 Brand Research Institute, Inc.