■知財計画2006で、地域ブランドの「かけこみ寺」窓口整備へ |
6月8日、首相官邸で第14回知的財産戦略本部(以下、知財本部)が開かれ、知的財産推進計画2006(以下、知財計画)が決定された。
知財計画のポイントは6点ある。@ニセモノ対策の強化、Aイノベーションの促進、B出願構造改革・世界特許の実現、C中小企業と地域への支援、D文化創造国家づくり、E知財人材の育成。
特に、Cの中小企業と地域への支援について、中小・ベンチャー企業の知財保護、地域の知財戦略支援が検討された。具体的には、知財権侵害から守るため、商工会等による「知財駆け込み寺」等の窓口を整備する。また、「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2005」等により、中小・ベンチャー企業における知財の戦略的な活用モデルなどについて情報提供を行う。そして、知財を活用した地域振興を促進するため、地域の中小企業の経営者や知財担当者、中小企業支援者、農業従事者や普及指導員、大学等の研究者、産学連携従事者、公設試験研究機関の研究者、知財政策担当者などの地域における知財人材に対する教育や研修を充実する。
2002年に小泉首相が知財立国宣言をし、知的財産基本法(以下、知財基本法)が制定された。2003年から知財推進計画が決定されており、今回の計画は、第2期3カ年(2006−8年度)の初年度の大事な計画となる。
その他会合では、特許審査迅速化平成18年度実施計画の報告、学識者等による今後の知的財産戦略についての報告、総理挨拶の順に議事が進められた。首相からは、我が国は世界最先端の知財立国の水準まで進んできているが、これを維持し続けることが大事、これからも産学官が力を合わせて進めていきたい旨の発言があった。
知財本部は、知財基本法が2003年3月1日に施行され、同基本法第24条に基づき、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進するため、内閣に知財本部が設置された。これは、政府一体となって知財戦略を進めていく上で、関係府省と総合調整を図りながら施策の推進を図っていく中心的役割を果たすもので、内閣総理大臣を本部長、官房長官、科学技術政策担当大臣、文部科学大臣、経済産業大臣を副本部長とし、その他国務大臣や民間有識者から構成されている。
知財戦略が求められる背景には知識社会の到来がある。情報化・グローバル化が進む21世紀において、価値ある知的財産の創造・活用・管理を通じ国富の増大を図ることによって、国際社会において信頼される国家を目指し、国際社会において名誉ある地位を占めることを目指すものである。
その他、計画に関連し、地域団体商標制度の活用について取り上げられた。2006年度4月から施行された同制度についてできるだけ早期に、法施行後の運用実態を踏まえ制度・運用をより明確化する。それとともに関係者が連携・協力して、団体等に対する普及・啓発活動を引き続き実施し、地域ブランドの保護の手段として各種団体が同制度を積極的に活用することを促進する。国内のみならず世界に向けた地域ブランドの発信を推進する。
関連情報:
知的財産戦略本部 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/
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