■JETROが「日本食品等海外展開新戦略2006」を公表 |
日本貿易振興機構(JETRO)は、8月23日に、「今後の海外市場開拓事業に関する基本戦略の検証‐日本食品等海外展開新戦略2006‐」を公表した。これは、2005年4月22日に策定した提言「今後の海外市場開拓事業に関する基本戦略」を、アドバイザリーボードとして設置された「日本食品等海外展開委員会」が現場における課題や実際の海外市場の現状などをきめ細かく検証し、取りまとめたものだ。新戦略は、委員会の委員が、JETROが実施する事業に実際に参画し、現場の反応などを受けて策定しているため、「JETROのみならず、食品輸出や海外展開に取り組む人たちにとっての実践的な指針として、現場で活用していただけるもの」としている。
新戦略では、農林水産物は輸入が輸出の約19倍と大幅な輸入超過状況であることを指摘。海外では日本食が人気であり、今を輸出促進のチャンスと捉えている。輸出促進の具体策として、国内では、セミナー等による輸出者の育成、海外市場における農林水産物トレンド等の情報の収集・提供、安定供給の仕組みの確立などを提言。輸出先では、試食・即売会、料理講習会など日本食文化を前面に出したPR、現地マスメディアを活用した広報・マーケティングなどを挙げる。
また、国・地域別アプローチにも言及。香港では、「見本市参加の際などに日本文化を総合的に紹介すること」、シンガポールでは「ブランド戦略展開にふさわしい販売店の確保」、中国では、「流通上の問題解決のための試験輸出、技術交流、取引トラブル未然防止のための貿易相談」、タイでは、「日本食ブーム定着に向けた現地流通企業との交流促進といったパッケージ対策」などが有効としている。一方、北米では、「日本食文化の総合イベントの開催、FTAが結ばれたメキシコへの日本食紹介・情報提供の促進」、欧州では、「輸出に必要な認証取得の方法等を教える講習会の実施」などを進めるべき課題として列挙する。
さらに、新たな開拓先として、日本産果実や健康食品に大きな関心を寄せる、中東最大の自由港であるドバイ、日本食に関心が高いポーランド、ハンガリー、チェコ等の東欧諸国、日本食人気が高まりつつあるロシアなどを推挙。委員会では、「2005年から2009年までの間に農林水産物の輸出を倍増させるという、国の目標を達成するためには一段のてこ入れが必要。今回の見直し結果を今後も検証していく」としている。
関連情報:
ジェトロ お知らせ・記者発表 http://www.jetro.go.jp/news/announcement/20060822817-news
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