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■特許庁、歴史上の人物名などの商標審査について基準策定へ

 特許庁は、歴史上の人物の名前を商標登録する際の審査基準を新たに策定する。子孫やゆかりのある地域などのような関係がない第三者が、こうした人物の名前などを商標登録してしまうと、その人物に関係ない事業を展開して名声を傷つけたり、ゆかりのある地域の産業にも影響を及ぼす可能性もあることから、新基準を設けて審査することにした。今冬にも商標登録の審査基準を改める。

 現行の商標法では、現存する者以外の人物名の商標については商標法上に当該商標の登録を禁止する明文の規定が存在しない。例えば、人名等についての商標登録の要件には、人格権保護に関する商標法4条1項8号が存在するが、現存する者の保護を目的とする場合に限られている。また、他人の周知・著名な商標の保護の規定として商標法4条1項10号、同15号及び同19号も存在するが、これらは他人の商品又は役務の出所を表示する周知・著名な“商標”の保護の規定であり、“商標”として周知・著名なわけではない歴史上の人物名等の商標登録をこれらの規定を適用して拒絶することは困難だ。

 実際、著名な人物の没後間もなかったり、配偶者が生存中といった限られた事例を除くならば、歴史上の人物名の出願の多くが商標登録されている。例えば、「弁慶」(登録第68202号、大正3年登録)、「家康」(登録第522939号、昭和33年登録)、「石川啄木」(登録第605542号、昭和38年登録)のような例はすでに認められたもの。

 著名な歴史上の人物名は、その人物の郷土やゆかりの地で、郷土の偉人として親しまれ、記念館が運営されたり、地元のシンボルとして地域興しや観光振興のために人物名が商標として使用される例もある。 ところが、全く関係のない第三者が商標登録をしてしまうと、地域興しなどの地域産業に悪影響を及ぼしたり、遺族にとっても名声や名誉を傷つけるとの懸念がある。

 こうしたことから、著名な歴史上の人物名などについて商標登録を出願された際には、以下のような審査基準を設けることを検討する。

 1.著名な歴史上の人物名等の商標について、例えば、当該人物の著名性・評価を自己の事業のために利用する意図又はその名声を僭用して利益を得る意図があること、地域の産業に悪影響を与え公正な取引秩序を乱すおそれがあること、また、名声や名誉を害するおそれがあり遺族の心情を害するおそれがあることが認められる場合には、商標法第4条第1項第7号(公序良俗違反)に該当することとする。

 2.著名な歴史上の人物名等の商標については、出願の経緯、故人・その遺族との関係、当該故人と指定商品・役務との関連性、当該故人名を登録した場合の社会や産業への影響等を調査し、その結果を勘案しても、当該人物の著名性・評価を自己の事業のために利用する意図又はその名声を僭用して利益を得る意図がある等の上記1.に挙げたものと認められる場合に、商標法第4条第1項第7号により登録を拒絶し得ることとする。

関連情報:
(社)発明協会大阪支部ホームページ
 http://www.jiiiosaka.jp/kip-netseminer.htm

2008年1月26日




   


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