■総務省、「地域力創造データバンク」を3月下旬にも開設へ |
総務省は地域力創造に関する首長アンケート結果を公表し、今後の地域力の高めるための施策の方向性などについて議論した。3月下旬には、現在整備中の「地域力創造データバンク」を開設することなども示した。データバンクは、これまでバラバラにまとめていた同省内各部署と関連機関の人材情報・事例集を統合したもの。地域力創造データバンクは各地で行われている地域振興の取り組みを支援するため、300人を超える人材情報と約1000件の取り組み事例を提供するもの。関係団体などから人材や事例情報を取り寄せ、随時更新していく。
地域力創造に関する首長アンケート結果によると、、今までの取組が不十分で、今後更に力を入れるべきと考えられる地域力創造施策は、観光振興(10.1%)、地域情報の発信など地域ブランド強化(10.1%)などと考えている。特に政令市、中核市、特例市においては、企業誘致(政令市13.6%、中核市7.7%、特例市8.8%)や観光振興(政令市9.1%、中核市8.4%、特例市5.4%)、地域情報の発信など地域ブランド強化(政令市6.8%、中核市11.9%、特例市12.8%)に力を入れるべきと考えている。
地域力創造に関して、地域では大きくわけて以下の3つについて(1)情報提供関連、(2)その他地域力創造施策関連、(3)地方分権・財源措置関連の施策
や情報提供を国に求めていることがアンケート調査からは浮き彫りになった。
(1)情報提供関連
・地域活性化方策の成功例・失敗例を教えて欲しい。
・地域づくりを担う職員の研修、情報交換の場として、国と地方公共団体を横断するネットワークづくり。自治体のニーズに応じたできるだけ長期的な人材の派遣等、物心両面にわたる支援が必要。
・地域力創造の取組に対する各省の支援施策に関する自治体へのトータルな情報提供等を行うべき。
・地域力創造有識者会議に町村長を委員に加えてほしい。
・民力比較について、民度の向上につながる各種指標を、各県ごとに比較可能な形で積極的に公表されたい。(例:犯罪件数・検挙率、納税率、事業所の増減、NPO認証団体数等)
(2)その他地域力創造施策関連
・地域力を高めるのも必要な施策であるが、過疎化等地域自体が崩壊の危機にあり、それに対する施策の集中・重点化が必要。
・そもそも「地域力」の何たるかは国が考えて地方に示すべきものではない。
・地域力創造に取り組む自治会や地縁団体等への支援対策の充実。
・都市部の地域力の支援方策についても検討するべき。
・若者が中山間地に移住する施策を積み重ねることが必要。そのためには、農業と林業で家族が養える最低限の生活ができる状態になることが必要。
・国の事業等導入時にセットで当該自治体職員が地域に入る制度が創設できないか。
・地域診断士(仮称)など、地域の特性をプラス思考で客観的に提言できるような地域プランナー、アドバイザー等人材育成を実施し、場合によっては、2〜3年地域派遣指導出来るような支援体制を構築するべき。
・地域コミュニティ維持・強化に向けた取組を協力に支援すること。
・多様な主体が地域の課題を円滑に解決していくための実効的な仕組み(体制・組織、意思決定のあり方、権限・財源など)について、住民自治の充実という視点を含めて検討すべき。
(3)地方分権・財源措置関連
・地域内分権が実質的に進められ、地域の担い手自身による問題解決への取組が進むよう様々な施策を講じてほしい。
・地域のことは地域にまかせるということをぶれずに徹底してほしい。
・地域力創造施策を進める上で地方交付税を始めとする地方財源の確保が必要。
・地域力強化には、地域住民活動の活性化が不可欠であると思われることから、住民活動に対する補助制度の創設、拡充が必要。
・地域力創造コンペを開催して、採用した独自の企画に対し予算と権限をつけてほしい。
こうした調査結果などを基に、地域力創造に向けて施策の拡充や取り組みを行っていく必要がある。
関連情報: 地域力創造に関する有識者会議(第3回)
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