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「しん価値創造」を象徴する統一ロゴ。多様な地域資源を活用した発展を表現 |
北海道経済産業局では、5月30日、地域ブランドの総合ガイドブック『地域ブランドってなに?』を刊行した。地域ブランドの考え方や地域ブランド作りを進める上での具体策、活用できる支援制度などを紹介。地域の関係者がこうした“地域ブランドのイロハ”を共有することを狙う。北海道以外の地域にも応用可能な内容で、地域ブランド創造の指南書として活用できそうだ。
「地域ブランドってなに?」では、今の時代を、LOHASや2007年問題、ロングステイなどの消費者トレンドにより、地域活性化のチャンスと捉える。そうした中、地域ブランドの付加価値をより高めるためには、クラスター的手法の導入が必要と解説。クラスターとは元々「ぶどうの房」という意味で、転じて群や集団を意味する。つまり、単一の企業や業界、自治体で活動するのではなく、広域、多分野の連携・融合による地域総合力の向上を主眼に置く。また、これを「しん価値創造」と名付け、地域ブランド作りの必要な考え方としている。(「しん価値」とは、新規、賑わい、心、身体、信頼、進歩、真実、芯、深化、親愛、振興、伸展など様々な「しん」が生み出す価値のこと)
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段階・課題・活動別に利用可能な支援制度を紹介したマトリックス表 |
そして、最大の特徴が、地域ブランド形成に向けた具体的な取り組みを「段階別」、「課題別」に分けて示し、各取り組みで利用できる支援制度を挙げている点だ。段階別では、コンセプト作りから始まり、地域ブランドの確立、維持・管理にいたる一連の流れを詳細な施策とともに記述。課題別では、「既に地域イメージが確立されつつあるが、これを活用するつくり手や製品・産品が十分に育っていない」、「地域特性を活かした商品・サービスは存在しているが、地域のイメージが希薄なため相乗効果が発揮できていない」、「地域内や道内では一定のブランドを確立しつつあるが、地域外道外に向けた発信力が弱い」などのテーマを設定。テーマごとに必要な施策を解説する。
さらに、「JAPANブランド育成支援事業」、「小規模事業者新事業全国展開支援事業」、「産地等地域活性化支援事業」など各種支援制度については、「段階別」、「課題別」、「活動別」ごとに活用できるものをピックアップ。マトリックス表にまとめているので、どの支援制度が何の取り組みに利用できるか一目瞭然。取り上げている支援制度は67制度にも上る。
最後に北海道経済産業局の支援事例も紹介。「十勝地域のブランド形成支援」、「幌加内そばのブランド形成支援」など興味深い実例を挙げる。
ガイドブックは、無料で配布。また、同局のホームページからもダウンロード可能だ(http://www.hkd.meti.go.jp/hoksc/what_c_brand/index.htm)。
関連情報:
北海道経済産業局
http://www.hkd.meti.go.jp/