■「本物の比内地鶏」、ブランド回復のため県の認証制度 |
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比内地鶏の生産・管理基準の「認証票」を交付 |
比内地鶏が本物であることを証明する県の認証制度の説明会が17日より始まった。県が定めた基準を満たした生産者、加工業者に5月下旬から認証票が交付される予定。昨年10月に発覚した偽装事件を受けて広がった不安の波紋はいまだ消えていない様子。北秋田市会場の説明会では約150人の生産者が説明会に参加した。ブランド回復に対する意欲の高さが窺われる。
県は偽装事件発覚直後、信頼回復の緊急措置として6項目からなる「比内地鶏が他の鶏と混じることのないような生産管理がなされていること」を確認する「確認書」を交付していた。この交付を受け、約2割の元比内地鶏に「本物ではない」という判断が下された。しかし、その2割の鶏肉に関しては比内地鶏と遜色ないものであり、新たなブランドとして売り出すという動きもある。
今回は、これまでの項目も含めるとともに日本農林規格(JAS)が定める地鶏の規定より厳しい生産・管理基準の「認証票」を5月下旬より順次交付する。県の基準だと、ひなは秋田比内鶏のオスとロードアイランドレッド種のメスの交配で生まれた一代交雑種、メスは孵化から150日以上、オスは孵化から100日以上飼育、孵化から28日以降は平飼いまたは放し飼いで飼育、などと規定している。また、単なる基準に適合するかの確認だけでなく、県職員の立ち入りなども行われる。
「本物のはずの比内地鶏」を信じていた消費者の信頼を失ったことで、「本物の比内地鶏」のブランドを回復させるために費やした時間や費用は計り知れない。生産者、関係者ともに今回の一件でいかにブランド再生が難しく、大変なものであるかということを改めて認識することとなった。本当の信頼回復や、更なるブランド管理が試されるのは認証制度が本格始動してからとなりそうだ。
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