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■「青森」りんごに類似した、「青E」を中国商標局が却下

 中国国内で「青森」にそっくりの「青E(チンミャオ)」が商標出願されたとして、青森県は中国商標局に異議申し立てをした。その結果、当局は商標出願を認めないと裁定したと発表した。

 国内のりんご生産高の50%以上を占める青森県。近年国内での需要が減り、海外への輸出に力を入れている。現在、海外へ輸出しているりんごの9割は青森県産である。そのうち2番目に輸出量が多いのが中国である。平成16年度には約300トンの輸出実績がある。異議申し立てが認められたのは、県や農協県本部など24団体が平成15年7月に申し立てた果実や野菜と、肉や水産物の2件。中国当局は昨年12月29日、「『青森』は公衆に知られている日本地名の『青森』と同一である」として、商標登録を認めない判断をしている。

 青森県では「攻めの農林水産業」のもと、りんごのみならず多岐にわたる農林水産物を海外に輸出しており、その大半が中国や台湾などをはじめとするアジア圏向けである。今回の「青E」という商標の却下は、他の輸出品に対しても大きな意味を持つ。品質や味で認められているだけに、類似品の出現で価値が定価してしまうほど恐ろしいことはない。今回の一件で、商標を管理・運営することはブランドを守ることにつながるということを強く認識する機会となった。「攻めの農林水産業」を「商標で守った」のである。

 今回の問題は、青森ならず日本全国の地域に改めてブランドリスクにおける警鐘を鳴らすこととなった。これまでに中国当局に同一もしくは類似商標として申請されているものとして「鹿児島」や「美濃焼」などがある。中国は、日本と同じく「漢字」を持つ文化であるため、このような問題は今後も増えてくることが予想される。中国の法律では「外国の著名な地名は商標登録の対象にならない」と規定されているが、日本からの棄却申請がないかぎり当局の判断のみで却下されることは考えがたい。今後は、ブランドリスク管理がより注目されるようになるであろう。さて、あなたの地域は大丈夫だろうか――。

2008年5月18日




 

 


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