山梨大学の「ワイン人材生涯養成拠点」事業が、文部科学省が推進する平成18年度科学技術振興調整費「地域再生人材創出拠点の形成」の拠出事業として採択された。
この事業では、5年間で2億5000万円(年間5000万円)の助成を受けるもので、山梨県と地域ワイナリーがワインのブランド化で協力して、輸入ワインへの巻き返しをはかる。
山梨大学では、ワインに携わる人材を養成する拠点を構築し、地元のニーズを反映したブドウ栽培からワイン醸造、将来的には経営学までを視野に入れた実学中心のカリキュラムを作成し、人材養成を行うとともに地域産業の活性化を目指す。
具体的には、ワイン技術者を対象とした再教育コースを今秋から、大学院医学工学総合教育部に設置するワイン科学コース(修士課程)を来年度から開講する。
主な事業内容としては、以下の通り。
1.人材養成
・国内のワイン科学研究者に加え、米カリフォルニア大学デイビス校、仏ボルドー大学などのワイン科学におけるトップレベルの大学から講師を招聘
・インターンシップと短期海外留学によるワイントップエリートの養成
・ワイン製造ノウハウの科学的解明と知識の共有
2.人材活用推進
・ワイン製造に従事する人材の質を認定するためのワイン人材認定制度の創設(ワイン科学士および上級ワイン科学士(仮称)の認定)
・認定技術者に対する生涯にわたる支援
3.ビジネス支援
・国内外のワイナリーで活躍する人材やソムリエ等との交流
・ファンド紹介、マーケティング・経営情報の提供など、ワイナリー創業を目指す起業家支援
・ワイナリー情報、雇用情報、ワイン科学先端情報等の提供
今回拠出を受けることが決まった、文科省の科学技術調整振興費<地域再生人材創出拠点の形成>は、総合科学技術会議の方針に基づく助成事業。地域の大学と地元自治体が密接に連携し、大学が有する個性・特色を活かし、将来的な地域産業の活性化や地域の社会ニーズの解決に向けた、科学技術を活用した地域再生のための人材を創出することを目的としている。
ほかにも、焼酎や黒酢などの新製品開発やブランド力を高める鹿児島大のプログラムや、西陣織、京瓦といった伝統工芸品の製法をデジタル化などで伝承する京都工繊大のプログラムなどが選ばれた。
関連情報:
山梨大学 http://www.yamanashi.ac.jp/news/news_info.php?ca_id=1&if_id=370
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