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■名古屋で「有松絞りまつり」、若年層を伝統の世界に引き込む

有松絞り浴衣をレンタルして古風な町並を散策できる
 6月3日(土)、4日(日)の両日、名古屋市緑区有松町で、「第22回 有松絞りまつり」が開催される。有松絞りまつりは、1985年以来、毎年開かれている地域を代表するイベント。主催者によると2日間の来場者は例年約10万人を数えるという。期間中は、400年もの伝統を誇る「有松絞り」を施した浴衣や風呂敷などを展示したり、絞り染めの体験教室を開くなど、“絞りの町”を存分にアピールする。

 今年は従来のイベントとは異なる方向性を打ち出す。その一つが、古くからの町並が残る街道に「絞り浴衣」60点余りを展示する「シボリユカタ・ストリート」。明治や大正の復刻版から昭和20年代、平成の絞り浴衣まで、時代の 変遷によるデザインやカラーの移り変わりを鑑賞できるユニークな催しだ。また、展示される浴衣は全て帯や下駄も含めて有料で貸し出す。身に纏い古風な街角を散策すれば、特有の情緒を体感できる。さらに浴衣を着たまま、3日夜に開催される「東海道総踊り」に参加し、踊りを楽しむことも可能。新しい試みにより、若者を中心とした新規来場者の獲得やイベントの活性化を狙い、絞り浴衣に対する若年層の関心の喚起につなげていく。

 そのほか町の中心にあるイベント広場では、縦横12mの生地に名古屋城本丸御殿を描いた巨大な絞り風呂敷を展示。伝統工芸を受け継ぐ職人による絞り技法の実演、ハンカチの絞り染めを体験できる教室なども催され、イベントを盛り上げる。

 絞り染めとは古来から伝わる生地の染色法の一種。布の一部を糸でくくったり、縫い締めて染料が入らない部分を作ることで、独特の模様を描き出す。中でも「有松絞り」は全国的に最も有名な絞り染めのひとつであり、既に地域団体商標も出願済み。江戸時代初めに技法が開発され、尾張藩の保護を受けて発展。手拭いや浴衣は東海道の名産品として飛ぶように売れ、その繁盛ぶりは北斎や広重の浮世絵にも描かれたという。有松絞りまつり実行委員会では「イベントに参加して有松絞りの世界を堪能してほしい」と話している。

■「有松絞りまつり」開催概要
日時:  平成18年6月3日(土)・4日(日)
       午前10時〜午後5時
       (3日は「東海道総踊り」を午後6時半〜8時半まで開催)
場所: 名古屋市緑区有松町
アクセス:名鉄名古屋本線有松駅下車(名古屋駅より約30分)
主催: 第22回有松絞りまつり実行委員会( 052−621−0111)

関連情報:
有松・鳴海絞会館 http://www.shibori-kaikan.com/

有松商工会 http://www.arimatsu.or.jp/

2006年5月31日

 


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