大垣共立銀行系のシンクタンクである共立総合研究所は、中部エリアの成長力を調査・分析した「中部9県の都市圏別成長力ランキング」を、3月2日に発表した。調査対象は、愛知、岐阜、三重、静岡、長野、富山、石川、福井、滋賀の中部9県内の32都市圏と人口1万人以上の256市町村。調査期間は、2001年度〜2005年度の5年間。「人口の転入超過率」と「所得水準の変動幅」を偏差値化し、平均値を総合評点として評価した。
成長力トップは安城市を中心とする都市圏。転入超過率が71.6、所得水準の変化幅が76.8といずれも1位という結果となった。2位以下も、刈谷、岡崎、豊田など愛知県西三河地方の都市圏が名を連ねた。業績好調のトヨタ自動車が地域経済を潤している実態が浮かび上がってくる。そのほか、滋賀県大津市、静岡県浜松市、三重県四日市市、三重県津市、長野県松本市など、比較的愛知県に近い都市圏が上位にランクインした。
ただし、人口、所得がともに増加しているのは、8都市圏のみ。一方で、富山、長野、福井などの16都市圏では人口、所得ともに減少するという結果に。繁栄する愛知県西三河地方と、恩恵に与れないその他都市という、中部の2極化の実情が鮮明となった。
■中部都市圏の成長力ランキングベスト10 |
順位 |
県・都市圏 |
転入超過率 |
所得水準の変化幅 |
総合評点 |
人口1万人
あたり転入
超過者数(人) |
評点(順位) |
2001年度 |
2005年度 |
変化幅 |
評点(順位) |
1 |
愛知・安城 |
198 |
71.6 ( 1 ) |
108.6 |
114.2 |
5.6 |
76.8 ( 1 ) |
74.2 |
2 |
愛知・刈谷 |
159 |
67.6 ( 3 ) |
110.2 |
114.4 |
4.2 |
70.6 ( 2 ) |
69.1 |
3 |
愛知・岡崎 |
152 |
66.9 ( 4 ) |
109.8 |
112.1 |
2.3 |
62.2 ( 5 ) |
64.6 |
4 |
愛知・豊田 |
103 |
61.9 ( 5 ) |
116.7 |
119.9 |
3.2 |
66.2 ( 3 ) |
64.1 |
5 |
愛知・西尾 |
14 |
52.7 ( 10 ) |
105.5 |
108.3 |
2.8 |
64.4 ( 4 ) |
58.6 |
6 |
滋賀・大津 |
180 |
69.8 ( 2 ) |
110.4 |
108.6 |
▲ 1.8 |
44.1 ( 23 ) |
57.0 |
7 |
愛知・名古屋 |
54 |
56.9 ( 7 ) |
107.5 |
108.6 |
1.1 |
56.9 ( 7 ) |
56.9 |
8 |
静岡・浜松 |
14 |
52.7 ( 10 ) |
98.7 |
99.8 |
1.1 |
56.9 ( 7 ) |
54.8 |
9 |
愛知・豊橋 |
▲ 6 |
50.7 ( 16 ) |
99.6 |
100.9 |
1.3 |
57.8 ( 6 ) |
54.3 |
10 |
三重・四日市 |
21 |
53.4 ( 9 ) |
102 |
102.2 |
0.2 |
52.9 ( 9 ) |
53.2 |
※共立総合研究所発表の調査レポートより |
※人口1万人あたり転入超過者数は01年度〜05年度の転入者数−転出者数)÷00年度末人口 |
※所得水準は納税者1人あたりの課税対象所得を中部9県平均=
100として指数化したもの |
関連情報:
共立総合研究所発表調査レポート(PDF) http://www.okb-kri.jp/press/20070302.pdf
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