■南アルプス市が「桃源郷フルーツプロジェクト」報告会開催 |
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南アルプス市産高級すももの「貴陽」 |
南アルプス市商工会は、市内で、南アルプス市産フルーツを核にした全国的な観光振興事業「南アルプス桃源郷フルーツプロジェクト」の2006年度の報告会を開催した。このプロジェクトは、経済産業省が小規模事業者による全国規模のマーケットを視野に入れた新事業展開を支援する「小規模事業者新事業全国展開支援事業」に採択され、昨年5月からスタート。南アルプス市で育まれた豊富なフルーツを活用したコンテストやツアー、流通経路の開拓などを展開し、産品の優位性やフルーツ王国としての地域特性を積極的にアピールするものとなっている。
南アルプス市は平成15年4月に4町2村が合併し誕生。全国初の「カタカナの市」として話題に上ったが、市の確固たる地域ブランドが確立されていないのが課題だった。2004年に(財)広域関東圏産業活性化センターが経産省の委託事業として、「南アルプス市地域振興計画策定調査事業」を実施。市のブランド力向上のため観光振興を中心に26の具体的な事業計画を策定した。その計画の中から、南アルプス市商工会が早期着手が望ましく、高い効果も期待できる事業として取り上げたのが、「フルーツメニュー開発事業」、「フルーツパーラー整備事業」、「フルーツ狩りマネージメント事業」の3つ。それらを統合し「南アルプス桃源郷フルーツプロジェクト」として展開している。
報告会では具体的な実績が次々と報告された。まず、フルーツの観光モニターツアーとして「完熟フルーツこだわり探訪」を昨夏に4回実施。ツアー参加者はすもも、もも、ぶどうなどの完熟フルーツ狩りやフルーツランチ、ジャム作りなどを体験した。
メニュー開発の一環として、9月には「スウィーツコンテストS-1グランプリ」を開催。南アルプス市産フルーツを使用したスウィーツのレシピを全国の菓子職人から募集し、29作品が集まった。書類による1次審査を経て、イベント会場での2次審査でグランプリを決定。グランプリ受賞作のレシピは市内の飲食業者に公開して実技講習会も実施し、地域への普及、観光振興につなげていく計画だ。また、コンテストと並行して、日経新聞主催の「NIKKEI丸の内キャリア塾」と連携し、東京丸の内で働くキャリア女性を対象とした限定ツアーを実施。2次審査をツアーに組み込み、応募作品の試食も提供するなど、多面的な展開も試みている。
そのほか、パティシエによるスウィーツの実技講習会の実施、レストランや洋菓子店に対するスウィーツの開発、販売の奨励、フルーツを生産する農園や提供するホテル・飲食店を商工会が審査のうえ「完熟フルーツマスター」に認定する制度の構築など、様々な施策が展開された。「昨年はモニター的な展開がメインだった。今年はより一層力を入れて本格展開につなげていきたい」と、商工会は意気込む。今後もこのプロジェクトは、地域ブランドの創出、地域活性化のひとつのアプローチとして、注目を集めそうだ。
関連情報:
南アルプスフルーツシャングリラ http://www.minamialps.net/
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