長野県を代表する郷土食である「おやき」を地域ブランド化して全国的な知名度を高めようと、県内のおやき事業者が「信州おやき協議会」を設立した。この日の総会には21社が参加した。10月29日に開催された設立総会では、長野商工会議所の加藤久雄会頭があいさつし、「設立を機にさらなる発展を遂げてほしい」と語った。総会には21社が参加し、今後約30社程度が協議会に加わる予定という。
「おやき」は小麦や米、木の実などを粉にし、水を加えて練り上げて、野菜などの具を包んで両面を焼いたまんじゅう。農作業の合間や夜なべ仕事の傍らで囲炉裏の灰の中に入れて、焼いて食していたものが原点で保存食としても用いられている信州の郷土料理。
同じ信州のおやきでも、小麦粉やそば粉など原料に違いがあり、作り方も焼くだけのものや、焼いて蒸かすもの、蒸かすだけのものなど様々。呼び名も「おやき」のほかに、「焼きもち」「焼きまんじゅう」「まんじゅう」などとも呼ばれる。
これまでは各店が情報交換をしたり、共同でPR活動をしたりすることはなかったが、2008年9月に信州おやきブランド化委員会が開催されて、長野商工会議所とともに活動し、今回「信州おやき協議会」を設立する運びとなった。
地域や製法、食材などは異なっても「信州おやき」と総称して、おやきの事業者が連携して全国に広めていくことを目的としている。
今後は各店が勉強会などを開き、共同の食材調達や新作の開発をしたり、おやき作り教室を開いたりしてPR活動に努め、「信州おやき」を地域団体商標として登録申請することも視野に入れている。
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