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■近畿経済産業局が地域ブランド育成レポートを発表

 近畿経済産業局では、「近畿の地域資源を活用した地域ブランドの形成及び活用方策についての調査研究」を実施し、その結果を元に、「近畿・地域ブランド育成レポート」をまとめた。地域ブランド育成に対する基本的な考え方や取り組む際の具体的なプロセスなどをわかりやすく解説。実例が豊富で実践面での活用度が高いのが特徴だ。

 まず、地域ブランドの育成には、「人間関係」、「文化」、「経済」、「象徴(イメージ)」の“4つの地域力”の向上が必要と提言。実際にこの4つの力を高めることで、地域ブランドを確立している大阪府堺市の「堺刃物」、滋賀県長浜市の「黒壁ガラス」の事例を図式化して紹介している。

※ 6つの“P”
@商品(Products)
・「地域ならでは」を感じるか?
・使い手として、品質、機能は優れているか?
・ずっと利用していたいと思うか?
・自分でお金を払って得たい製品・サービスか?
A価格(Price)
・買い手として、商品・サービスに対して適正な価格になっているか?
・コストに対して、きちんと利益幅が確保されているか?
B流通(Place)
・欲しいと思う人が欲しいときに得られるように。確実に届けられているか?
・流通や販売のパートナーがWin-Winの関係を構築しているか?
C販売促進(Promotion)
・狙っている具体的なターゲットに対して、必要な情報が確実に届いているか?
・やりっぱなしではなく、費用対効果をきちんと捉えているか?
Dポジション(Position)
・外部から見た地域イメージや、商品・サービスの市場環境を把握しているか?
・他地域の類似製品との差別化が明確で、コンセプトにも説得力があるか?
E人間関係(People)
・地域内外のファンとのコミュニケーションがとれているか?
・地域内外のファンとの信頼関係が成り立っているか?
地域ブランド育成のプロセス
 また、地域ブランド育成のプロセスも解説する。プロセスは「ステップ@:基礎体力作り」、「ステップA:仕掛け作り」、「ステップB:磨き上げ」で構成。ステップ@では、「地域への愛着の共有」、「地域が直面するリスクの共有」、「地域の課題や将来像を語る開かれた場の設定」などを進める。ステップAでは、「地域の商品やサービスの強みの把握」、「コンセプトの設定」、「ターゲットの明確化」、「6つの“P”(※)の視点で継続的に商品・サービスをチェック」などを推進。ステップBでは、「6つの“P”の項目でPDCA(Plan、Do、Check、Action)をまわす」、「4つの地域力の現状と6つの“P”のPDCAをリンクする」といった活動に取り組む。

 各ステップでは、「紀州へら竿(和歌山県橋本市)」、「信楽焼(滋賀県甲賀市)、「淡路島のお線香(兵庫県淡路市)」、「西陣織(京都府京都市)」、「南部鉄器(岩手県盛岡市、奥州市)」、「輪島塗(石川県輪島市)」、「大館曲げわっぱ(秋田県大館市)」など近畿や他県の実例を合わせて記述しており、非常に実践的だ。

 さらにレポートでは、「地域ブランドアドバイザリー派遣事業」、「小規模事業者新事業全国展開支援事業」、「JAPANブランド育成支援事業」、「LL事業」といった、地域ブランドの支援制度も紹介する。

 全体を通して、地域ブランド育成に取り組む際のヒントが詰まっており、近畿地方以外の企業、自治体も参考文献として活用したいところ。レポートは近畿経済産業局のホームページ(http://www.kansai.meti.go.jp/3-2chisin/brand/brandhoukokusyo.html)から無料でダウンロードできる。

関連情報:
近畿経済産業局  http://www.kansai.meti.go.jp

2006年6月3日

 


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