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■地域団体商標「鳴門わかめ」をめぐって、国内初の異議申し立て

 「鳴門わかめ」という名称で徳島県漁連が地域団体商標登録したことに対して、南あわじ漁協など関係者が特許庁に異議申し立てを行った。「鳴門わかめ」という名称は、鳴門海峡で採れたわかめにおいて、兵庫県・淡路島内においても長年使われてきたもの。その名称が徳島県漁連としてのみ登録を行ったことに納得できずにいる。

 鳴門海峡の潮にもまれたワカメは肉厚で歯ごたえが良いのが特徴。徳島県では約7700トン、兵庫県では約2100トン(2005年現在)を生産。また、兵庫県は生産量のうち2、3割を徳島県に卸している。こうした現状の中徳島県漁連では、「今回の商標は、県内の農作物の商標登録の動きに習って登録したものであり、これまでやっている業者は名前を使える」と説明している。

 海産物に限らず、全国各地で産地のブランドを守るために商標として登録するという動きが広まっている。しかし、海峡を挟んで一方だけがブランド化で付加価値がつくという、当初の目的であった地域活性化に逆行しかねない効果が生まれようとしている。

 2006年4月に始まった地域団体商標は、2008年5月末日現在で813件の申請があり、6月17日までに386件が登録されている。今回のような異議申し立ては初めてのケースであり、今後の動きに注目が集まる。消費行動を大きく左右しかねない、ブランド、付加価値――。地域団体商標は、単なる名称登録としての認識では収まらないのである。

関連情報:
特許庁
 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm

2008年6月30日




   


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