■知財高裁、「喜多方ラーメン」の地域団体商標の請求を棄却 |
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福島県喜多方市のラーメン店の団体「協同組合蔵のまち喜多方老麺会」が、特許庁に対して「喜多方ラーメン」の地域団体商標への登録を認めなかった審決を不服として、審決の取り消しを求めた訴訟の判決を知的財産高裁が出した。
知財高裁の塩月秀平裁判長は「喜多方市外でも喜多方ラーメンを相当長期間にわたって提供している店がある」などを理由に原告側の訴えを棄却した。
蔵のまち喜多方老麺会は,2006年4月1日に地域団体商標制度が開始されたのと同時に、第30類「福島県喜多方市産のラーメンのめん,福島県喜多方市産の即席ラーメン」と第43類「福島県
喜多方市における又は福島県喜多方市を発祥地とするラーメンの提供」とし,地域団体商標の登録出願をしたが,2008年3月に商標法の要件を備えていないとの理由から登録査定を拒否され、これを不服として審判
請求をした。特許庁は再審理で,2009年11月に「本件審判の請求は,成り立たない」との審決をした。
地域団体商標の登録には出願団体の努力により隣接都道府県に及ぶ程度に知名度が高まっている必要があるが、特許庁は同団体の活動の結果、「『喜多方ラーメン』のブランド知名度が上がったとはいえない」と登録を認めななかった。
判決によれば、喜多方市内のラーメン店のうち,老麺会の構成員の比率は5割弱で,構成員以外の店舗でもこれまで「喜多方ラーメン」の文字を店名やメニューに使用していたり,雑誌・新聞などに紹介されている店が
多い。さらに,日本全国で「喜多方ラーメン」の文字を店名の一部又はメニューに使用し
て営業している店がある。喜多方ラーメンの提供が老麺会固有の業務として広く認識されているわけではないとして、同会側の主張を退けた。
関連情報:平成22年11月15日 知的財産高等裁判所 平成21(行ケ)10433 審決取消請求事件
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