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■東京財団が「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」報告

 国際社会や地域社会の諸問題の研究などを推進する東京財団では、このほど、「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」と題した報告書を東京理科大学専門職大学院の生越由美教授が中心となって作成、公表した。同報告書は、東京財団が社会、経済、政治、国際関係等の諸問題や解決策を研究し定期的に公表する「東京財団研究報告書」の一環としてまとめられたもの。

 報告書では、日本が推し進める「知材立国」を実現するためには、知的財産の活用、技術と芸術の融合、伝統文化・技術の活用など文化産業の発展を目指す「文化戦略」を国家戦略として取り組むことが必要と提言。文化が花開いた江戸時代(元禄)に着目し、平成との時代の類似点を指摘するとともに、当時の産業を調査・報告。一方で、「博多万能ねぎ」や「国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)」など地域ブランドによる文化産業育成の実例を挙げている。

 また、文化産業、知的財産に関するアンケート調査結果も報告。回答率が61.7%と高かった地方自治体において、「歴史資源」や「地域資源」など地域ブランドを「活用している」との回答が9割近くに上るのに対し、「情報提供」については、「充分」との回答が25%程度にとどまるなど、課題が浮き彫りになるデータとなっている。

 報告書は、東京財団のホームページで閲覧可能(http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/2006-17.pdf)。地方自治体などが地域ブランド戦略を構築する際の参考資料として、活用したいところだ。

関連情報:
東京財団 http://www.tkfd.or.jp/index.shtml

2006年11月5日

 


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