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■「ジオパーク」に国内3カ所が認定、世界遺産に並ぶ観光資源に

 地質学的な世界遺産ともいわれる、科学的に見て貴重な特徴を持つ地域を含む自然公園「世界ジオパーク」に、洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟県)、島原半島(長崎県)の3地域が初めて認定された。8月23日、中国の泰安市で開催されていた世界ジオパークネットワーク事務局会議で認定された。

 世界遺産が地域の保全や保護を重視しているのに対して、ジオパークは保全に加えて観光による地域振興も視野に入れている。今回、中国の2地域も認定され、ジオパークは合計19カ国63地域になった。

 今回認定された3地域のジオパークは、それぞれに特徴がある。「洞爺湖有珠山ジオパーク」は、2000年に噴火した有珠山とその被害遺構、1944-45年にできた昭和新山、約10万年前の大噴火で形成されたカルデラ湖である洞爺湖が特徴。2000年噴火に伴う地殻変動を目の当たりにできる。「変動する大地との共生」がテーマ。 「糸魚川ジオパーク」は、5億年にわたる様々な時代の多様な岩石・地層、日本を 2つに分ける大きな断層「糸魚川−静岡構造線」と地下の大きなへこみ「フォッサマグナ」が特徴。縄文文化と関わりが深いヒスイ、断層と塩の道など、ジオと人に関わるテーマが豊富。 「島原半島ジオパーク」は、1990-95年に噴火した雲仙普賢岳とその被災の遺構と、「島原大変肥後迷惑」と言われる1792年の噴火の遺跡、雲仙地溝の活断層地形がみどころ。火砕流の恐ろしさと火山の恵みがテーマ。

 2010年4月にマレーシアのランカウイジオパークで認定証の授与式が行われる。世界ジオパークネットワーク加盟地域は加盟認定後4年ごとに再審査を受ける義務があり、今回加盟認定された3地域も4年後に再審査を受けることになる。

 ジオパークは、ユネスコの支援により2004年に設立された世界ジオパークネットワークにより、世界各国で推進されている。ジオパークは、地域の地史や地質現象がよくわかる地質遺産を多数含むだけでなく、考古学的・生態学的もしくは文化的な価値のあるサイトも含む、明瞭に境界を定められた地域。公的機関・地域社会ならびに民間団体によるしっかりした運営組織と運営・財政計画を持つ。ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。 博物館、自然観察路、ガイド付きツアーなどにより、地球科学や環境問題に関する教育・普及活動を行う。 それぞれの地域の伝統と法に基づき地質遺産を確実に保護する。世界的ネットワークの一員として、相互に情報交換を行い、会議に参加し、ネットワークを積極的に活性化させる、といった特徴がある。

 世界遺産に認定された地域や施設などは、地域資源としての価値が高まり、多くの観光客が訪れるようになっている。ジオパークに関しても、今後、認定された3地域は、地域資源としてどのように活用するかなどが問われることになる。

関連情報:   日本ジオパークネットワーク事務局

2009年8月30日







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