食のバリアフリーとは?

インバウンドの増加と食の制限

日本を訪れる外国人は、どの程度増えているのでしょうか?

日本政府観光局(JNTO)によると、2018年の訪日外国人数は3000万人を超えました。
図1のように2013年から毎年急激に増加しています。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には年間4000万人の方が日本に訪れると予想されています。

どのような国・地域からの来訪が多いのでしょうか?

2018年の訪日外国人の内訳を見てみると、中国、韓国、台湾の3カ国・地域で約1900万人で、全体の2/3を占めています。
ところが2018年の韓国からの訪日客は対前年比で6%増、同様に台湾は4%増と、これまでよりやや伸びが鈍化しているのに対し、ベトナム26%増、インドネシア14%増など、東南アジアからの訪日客が伸び続けています。南アジアではインドからの訪日客も14%増です(2018年11月末時点)。
また、イタリア、スペイン、ロシアはいずれも20%以上の伸びとなっているなど、欧州各国からの訪日客が急増しています。

食事の面では、どうなのでしょうか?

東南アジアにはイスラム教徒(ムスリム)の方が約40%を占めていますが、イスラム教では豚やアルコールを含む食事を避けるなど、「ハラル」という食の規律が存在します。そのため、多くの方が日本での食事について不満や不便を強いられています。
一方、インドでは多くの方が宗教上の理由でベジタリアンです。また欧州では倫理上や健康上の理由でベジタリアンの方々が増えています。
2020年に東京オリンピックを迎えるにあたり、全世界から多くの方が日本を訪れる機会が増えるに従い、様々な食の規律や制限のある方々が日本を訪れます。

日本の食事を楽しんでもらうために

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことや、世界各国でも日本食レストランが増加するなど、いま日本の食が世界中で注目を集めています。
世界中から訪れる多くの方々においしい日本での食事を楽しんでもらえるようにするためには、食事に含まれる材料や調理方法などを明示し、食の制限や規律がある人にも安心して選んでもらえ、食べてもらえるような環境作りが求められています。