青森県の「津軽料理遺産 認定・普及委員会」(以下委員会)は23日、津軽地方の歴史と風土に育まれ、古くから受け継がれている伝承型の郷土料理のうち、特にその料理が持つ特長を伝承・普及すべきものを「津軽料理遺産」として今回新たに87種類を認定した。今回の認定により前回2007年12月に認定された米料理中心の46種類の料理と合わせて、133種類の料理遺産が認定されたことになる。
今回認定されたのは「ぜんまいの白和え」や「ねりこみ」、「なすのしそ巻き」など。認定対象分野は「山菜料理(19品)」「漬物(10品)」「汁もの(12品)」「酢の物(4品)」「和え物(10品)」「煮物(15品)」「焼き物・炒め物(7品)」「その他(10品)」の8ジャンル。(カッコ内は今回認定料理数)
どの料理を津軽料理遺産として認定するかについて、委員会が定める基準は以下のとおり。
純和風の地元素材又は、地元に伝わる方法で加工された食材を使用しているか
伝統的な純和風の調理法で調理されているか
その料理が誕生した経緯に、ストーリー性があるか
現在も津軽地方にて食されているか
飲食店にて提供可能か
津軽地域外で類似の料理がなく、津軽地域独自の料理であるか
今後は認定された料理に関する材料や調理法や、それらの料理を観光客や地元の人々に提供する「津軽料理遺産・伝承店」等の情報を
津軽料理遺産オフィシャルウェブサイトで随時紹介して行く予定。委員会はこれからも昔ながらの伝承型郷土料理を掘り起こし、新しい地域活性化モデルを構築していく考えだ。
3月下旬に開催予定されている次回委員会では、2008年度に実施するセールスプロモーションの内容や、販促グッズデザインの検討等を実施する予定。現時点で計画されているセールスプロモーションとしては、津軽料理遺産ののれんやポスター等を作製し、「津軽料理遺産・伝承店」を普及させ地元での認知度を高めることに努め、また一部ポスターを首都圏でも配布し、来年以降の首都圏でのアピールのきっかけにしたい考えだ。
今回新たに認定された料理合計87品
山菜料理(19品) |
山菜と身欠き鰊の炒めもの |
みずとホヤの水物 |
みずと身欠き鰊の酢みそ和え |
こごみのつぶ油(えごま)みそ和え |
ぜんまいの白和え |
わらびの辛子醤油 |
わらびの生漬け |
アイコのみそ漬け |
たけのこのみそ汁 |
みずのわさび漬け |
ふきの白和え |
さもだしのみそ汁 |
根曲りだけの炒り煮 |
みずの油炒め |
五月汁 |
きのこの塩辛 |
焼きたけのこ |
みずたたき |
ふきのすか漬け |
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漬物(10品) |
赤かぶの千枚漬け |
りんごの丸っこ漬け |
梅干し・杏干し |
いかと玉菜漬け |
とう漬け |
ます漬け |
塩蔵きゅうりのしょうゆ漬け |
たくあんの古漬煮 |
菊の甘酢漬け |
豆漬け |
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汁物(12品) |
けの汁 |
ごじる(呉汁、豆汁) |
魚汁 |
だまこ汁 |
にんじゃ汁 |
岩モズクの味噌汁 |
しぐさ汁 |
豆なます |
カジカ汁 |
味噌こ(と、「けっこ」) |
高菜の粕汁 |
かまぼこ汁 |
酢の物(4品) |
さめのすくめ |
煮なます |
干し柿なます |
枝豆の三杯酢 |
和え物(10品) |
あんこうのとも和え |
エゴ天 |
干なすの白和え |
人参の白和え |
菊のクルミ和え |
かすべのとも和え |
岩のり入り子和え |
つぶのぬた |
サモダシのおろし和え |
きゅうりとおばけの辛子酢味噌和え |
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煮物(15品) |
ねりこみ |
こじょなかせ |
山ぶきの炒め |
煮しめ |
いかのごろみそ煮 |
かながしらの味噌煮 |
ごぼうのでんぶ |
干しカスベの煮物 |
いもけえ |
ササゲのでんぶ |
しろうおの卵とじ |
わかよの昆布巻き |
大鰐温泉もやしの炒り煮 |
けっこみそ(貝焼きみそ) |
山菜とカスベの煮付け |
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焼き物、炒め物(7品) |
なすのしそ巻き |
とうふかす炒り |
ささげのしそ巻き |
かつかの田楽 |
アケビの皮味噌焼き |
なすの油味噌 |
干なすの油炒め |
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その他(10品) |
雪納豆 |
小川巻き |
しそみそ |
ばっけみそ |
南蛮の一升漬け |
津軽そば |
鰊の切り込み |
とうふかまぼこ |
そばもやしの辛子酢醤油がけ |
生タラコとキノコの塩辛 |
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関連情報:
津軽料理遺産オフィシャルウェブサイト http://www.tsugaru-ryouriisan.com/
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(2008年1月6日)
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