9月25日に「地域ブランド調査2008」の結果をリリースしました。皆様にもお届けしましたが、その結果は新聞やテレビなどでも大きく取り上げられました。
さて、リリースで発表したのは魅力度ランキングですが、それ以外にも様々なランキングがあります。今回からはその他のランキングを紹介します。
順位 |
都道府県 |
市区町村 |
観光意欲度 |
1 |
札幌市 |
北海道 |
69.5
|
2 |
函館市 |
北海道 |
65.8
|
3 |
小樽市 |
北海道 |
59.9
|
4 |
京都市 |
京都府 |
58.9
|
5 |
富良野市 |
北海道 |
58.4
|
6 |
屋久島町 |
鹿児島県 |
56.0
|
7 |
那覇市 |
沖縄県 |
54.4
|
8 |
宮古島市 |
沖縄県 |
54.3
|
9 |
横浜市 |
神奈川県 |
53.1
|
10 |
石垣市 |
沖縄県 |
52.3
|
11 |
神戸市 |
兵庫県 |
51.8
|
12 |
旭川市 |
北海道 |
51.3
|
13 |
沖縄市 |
沖縄県 |
49.7
|
14 |
金沢市 |
石川県 |
49.5
|
15 |
仙台市 |
宮城県 |
49.3
|
16 |
長崎市 |
長崎県 |
48.0
|
17 |
登別市 |
北海道 |
47.4
|
18 |
鎌倉市 |
神奈川県 |
47.3
|
19 |
軽井沢町 |
長野県 |
46.9
|
20 |
釧路市 |
北海道 |
46.6
|
まず今週は観光意欲度ランキング。
観光意欲度1位、すなわち全国でもっとも観光意欲が高かったのは、昨年と同じく札幌市でした。2位が函館市、3位が小樽市と上位3位を北海道の市が独占しています。また5位に富良野市、12位に旭川市、17位に登別市、20位に釧路市と上位20位以内に計7市が入るなど、北海道の観光意欲はとても高いようです。
一方、南国・沖縄県も観光意欲上位には、7位に那覇市、8位に宮古島市、10位に石垣市、13位に沖縄市と4つの市がランクインしています。
庁舎対象となった1000市町村の結果を分析すると、一般的にはその市町村があるエリア周辺に住む人からの観光意欲および魅力度が高いという傾向にあります。これは、その市町村に対しての認知度が高く、魅力が伝わりやすいからです。ところが、北海道および沖縄県の観光意欲の場合は、地域外の人からの評価が高いという特徴があります。
例えば札幌市の場合は、観光意欲が最も高いのは中国・四国に居住している人(74.0)で、続いて近畿居住者(72.1)、関東居住者(70.3)という順です。この傾向は函館市、小樽市もほぼ同様です。
また沖縄市と那覇市の場合は、関東、近畿、中国・四国の居住者からの観光意欲が総じて高いという結果になりました。距離が遠いエリアに居住している人からの人気が高いということは、すなわち「憧れ」が大きいということと、日ごろの生活とは違う「非日常」という要素がプラスに働いているのではないでしょうか。
ところが、同じ沖縄県でも宮古島市と石垣市は、九州・沖縄に居住している人からの観光意欲が最も高いという結果になっています。つまり、九州・沖縄に居住している人が最も宮古島や石垣島の魅力を理解しているということなのでしょうか。
さて、札幌市の観光意欲度は他にも特徴があります。
つまり、年代別に見たときに20代からの評価が最も高いという点です。1000市町村の結果の平均を見ると、年齢が高くなるほど観光意欲は高くなるという傾向にあります。ところが札幌市の場合はその逆。
年齢が高いほど観光意欲が高いと、今後は年々その総合的な観光意欲が低下す(集客数が減少する)る危険があることを意味しています。ところが札幌市のように若い世代の方が評価が高いということは、今後も観光人気が高く続く可能性が高いことになります。
このように単にランキングを眺めるばかりではなく、回答者の属性等で分析すると、その地域に誰が魅力を感じているのかがわかります。あるいはその地域が抱えている課題が浮き彫りになるのです。「ブランドとは消費者からの評価と期待」であり、自分たちの視点で考えるのではなく、消費者からどのように評価されているかを分析することが重要なのではないでしょうか。