株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、社長:田中章雄)では、「ブルーレイディスクレコーダーに関する購買行動調査」を2009年11月13日から16日にかけて実施しました。
まず、テレビ及びブルーレイディスクレコーダーの購入状況を調査(スクリーニング調査)した後、ブルーレイディスクレコーダーの購入者・購入検討者に対して、購買や利用状況、購買に当たっての不安点などを調査いたしました。
結果、エコポイントの効果として、ブルーレイディスクレコーダーの「併せ買い」が進んでいる実態が明らかになりました。テレビとブルーレイディスクレコーダーを双方購入した人の「テレビの購入と同時に購入した」 割合は、エコポイント前の66.2%から、ポイント施行後は86.0%にまで上昇。前後の比率を比較すると、約3割増となり、エコポイントによる事実上の現金還元が消費者の購買意欲を促進させ、同時購入機会を高めたものと考えられます。
一方で、ブルーレイディスクレコーダー購入検討者に購入の際の不安点を聞いてみたところ、価格の次に心配なのは、「現在所有している録画機で録りためた録画映像がムダになること」となりました。また、ブルーレイディスクレコーダーでDVDが再生できることを知らない購入検討者が4割以上にも上るなど、消費者の誤認が購入に踏み切れない大きな理由の1つになっているようです。このような誤認を解決することが、ブルーレイディスクレコーダーの今後の普及に向けての課題と考えられます。
■ 4人に1人がエコポイント施行期間中にテレビを購入、または購入予定
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【図1 テレビの購入状況(n=9,687)】 |
まずスクリーニング調査で、「過去一年間にテレビを買い換えたかどうか」を質問したところ(9,687人が回答)、エコポイント制度が開始された「2009年5月以降にテレビを購入した」と回答した人の割合は10.9%、「2010年3月までに購入予定(※)」と解答した人の割合は17.5%という結果となった。この二つの割合を合計すると、実に4分の1以上(28.4%)の人がエコポイント施行期間中にテレビを購入又は購入予定と回答している(図1)。
(※)調査を実施した時点でのエコポイント付与期日期限
■エコポイント前後で大きく変わるブルーレイディスクレコーダーの購入タイミング
エコポイント施行後にブルーレイディスクレコーダーをテレビと同時購入する人が9割近くに
次いで、テレビ購入者に対して「ブルーレイディスクレコーダーを持っているか」どうかを質問したところ、ブルーレイディスクレコーダーを「持っていた」、または「購入した」人は合わせて25.6%という結果となった。
また、ブルーレイディスクレコーダーを「購入した」と回答した人たちについて、エコポイント前後に分けて、購入タイミングを見ると、「08年10月〜09年5月にテレビを購入した(n=300)」では、「テレビの購入と同時に購入した」人の割合が66.2%であるのに対し、「09年5月以降にエコポイント対象のテレビを購入(n=212)」した人では、86.0%と約9割もの人がテレビと同時に購入をしたと回答している(図2)。エコポイント前の比率と比較し約3割増えている。
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【図2 エコポイント施行前後での、ブルーレイディスクレコーダーの購入状況】
(※)「09年5月以降にエコポイント対象外のテレビを購入した回答者(n=91)」の結果も含む。そのうち、「テレビと同時購入」15人、「後日改めて購入」4人という結果となっている。
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■販売の現場から
ブルーレイディスクレコーダーとテレビを同時購入する人が増えていると実感
次いで、各主要量販店にブルーレイディスクレコーダーの現状について質問を行ったところ、各店から下記のようなコメントをいただいた。販売の現場からも(特にエコポイント後)、ブルーレイディスクレコーダーとテレビを同時購入する人が増加していると感じている販売店が多いという結果を得た。
・株式会社ベスト電器広報様コメント
「レコーダー販売数の中で、ブルーレイディスクレコーダーの割合は年々増えてきています。売り場面積も以前と比べ若干拡大しております。テレビとセットのコーナーを設けて、同時購入の利便性を訴求することで、地デジ対応テレビを購入されるお客様に、ブルーレイディスクレコーダーを併せてお薦めしております。エコポイント発足前と比較して、テレビと併せて購入するお客様も増えていると感じますし、今年の年末商戦では前年度以上の売上を見込んでおります。お客様からの質問としては、『録画方法について(キーワード録画など)』『録画時間について(容量など)』『テレビとの接続について』などの他に、『今までお客様が使われていた録画機との対応について』『DVDとの互換性について』などがあります。今まで録りためた番組の保存や、DVDを見られるのかということに関心を持っているようです。」
・株式会社エディオン広報様コメント
「レコーダー販売数の中で、ブルーレイディスクレコーダーの割合は年々増えてきています。地デジ対応テレビを購入に併せて購入するというお客様も多く(エコポイント発足後、増えてきたと感じます)、今年の年末商戦では前年度以上の売上を見込んでおります。」
■販売の現場から ソフト面でもブルーレイソフト売上増の見込み
・カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社広報様コメント
「TSUTAYAではブルーレイのレンタルを全国で展開しているほか、2009年夏からは洋画名盤を1枚2500円で取り扱い始め好調です。この冬、洋画タイトルの扱いで昨年対比10倍の販売を見込んでいます。」
■2010年3月までにテレビを購入予定の人の ブルーレイディスクレコーダー購入意向は約7割
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【図3 テレビ購入予定者のブルーレイディスクレコーダー購入状況】 |
また、「2010年3月までにはテレビを購入予定」と回答した人に対しても、「ブルーレイディスクレコーダーの所有、また購入意向」についての質問を行った。その結果、3.6%の人が既に持っていると回答し、低い所有率に留まっているものの、購入意向(検討)については67.2%と、非常に高い割合を示している。(図3)
■購入検討者の不安点 価格の次に「録りためた録画映像等がムダになる」
次に、ブルーレイディスクレコーダー購入検討者(n=598)に対して、ブルーレイディスクレコーダー購入に当たっての不安な点、購入に踏み切れない点を質問したところ、「本体価格」(91.7%)、「録画用ディスクの価格」(80.0%)といった価格に対する要因が挙がり、次いで「録りためた録画映像等がムダになる」(60.0%)、「DVDが再生できない」(54.8%)などといった、現状所有している録画機で録りためた映像やDVDソフトなど、今までに持っているコンテンツとブルーレイディスクレコーダーとの親和性に関する不安が多く挙げられている。以降、「機能が多すぎる」(44.7%)、「操作が面倒」(40.3%)と操作性に関する項目が不安点として挙げられている。(図4は購入に踏み切れない、不安に思う項目12項目の回答者比率を掲載)。
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【図4 ブルーレイディスクレコーダー購入検討者の購入に当たっての不安点、踏み切れない要因】 |
■基本的機能に対する誤認 ブルーレイディスクレコーダーに関連する機能、仕様について
最後に、ブルーレイディスクレコーダーや映像画質に関する一般的な質問をブルーレイディスクレコーダー購入検討者 (n=598)に対して行った。
まず、ブルーレイディスクレコーダーで従来のDVDが再生できることを知っているかどうかを尋ねたところ、検討者の43.5%が「知らなかった」と回答した(図5) 。実際には、現在市販されているブルーレイディスクレコーダーでは、DVDの再生は可能であることから、4割以上の購入検討者がその事実を知らなかったということになる。また、前項において購入に踏み切れない要因として「DVDが再生できない」を挙げた人の割合(54.8%)も高くなっている。
次に、テレビがハイビジョン対応機でも、録画機が対応していなければハイビジョン番組を録画・再生できないことを知っているかどうかについて質問したところ、検討者のうち39.3%が「知らなかった」という結果となり、情報が正しく浸透・理解されていないことが明らかになった。(図6)
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【図5 ブルーレイディスクレコーダーでのDVD再生可否 調査結果】 |
【図6 録画機のハイビジョン対応とハイビジョン番組の録画・再生について 調査結果】 |
以上の結果より、テレビ購入者のブルーレイディスクレコーダー購入意向は非常に高いものの、ブルーレイディスクレコーダーでDVDの再生が出来ることを知らず、またその誤認が購入に当たっての不安点として挙げられている。規格変更により様々な仕様や操作感が変わってしまうという先入観から誤認が生まれ、不安に感じているという状況を踏まえると、今後ブルーレイディスクレコーダー普及していく上では、こうした事項の理解、認知を高めていくことが重要になってくるであろう。
■調査概要
調査名 |
ブルーレイディスクレコーダーに関する購買行動調査 |
調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象者 |
20〜69歳の男女の中で、過去一年以内にテレビを購入し、且つブルーレイディスクレコーダーを購入または購入検討している人 |
有効回答数 |
スクリーニング調査9,687人、本調査1,146人(回収率 72.2%) |
調査時期 |
2009年11月13日〜11月16日 |
調査主体 |
株式会社ブランド総合研究所 |
調査協力 |
アイブリッジ株式会社 |
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