地域ブランド調査[市版]の対象となった779市の中から、県庁所在地である市(東京都を除く46道府県)の結果だけを取り出してその魅力度のランキングを作成した。
その結果、全779市のうち全国で魅力度が10位以内に入ったのは札幌市など5市、上位20市以内には計11市が入り、上位のうち約半数を県庁所在地の市が占めていた。
ところが、全国で100位以内に入らなかった市が20市を数えた。特に津市(三重県)と前橋市(群馬県)は200位にも入らなかった。津市は認知度では105位であるが魅力度は223位、前橋市は認知度は145位に対して魅力度は390位と、いずれも認知はされていても市の魅力が十分に伝わっていない。
次に、それらの市の各道府県の中における順位をみてみると、45道府県のうち26で最も高い順位となっている。
その結果、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の7つのそれぞれのエリアで最も人口の多い市は、いずれも上位15位以内にランクインした。ところが20県では県庁所在地より高い市があった。例えば千葉市は浦安市、木更津市、館山市についで千葉県で4番目、佐賀市は伊万里市、唐津市、鹿島市についで佐賀県で4番目、前橋市は伊勢崎市、高崎市に次いで3番目、そして津市は伊勢市などに次いで8番目。県庁所在地の市がその県の中において魅力の中心になっているとは限らないという実態が浮き彫りになった。
また、46道府県のうち道府県名と市名が同じ市は京都市、長崎市など30あり、道府県名と異なる市は札幌市、神戸市など16ある。上位5市のうち4市が道府県名と異なっている市が占めている。また、16市の魅力度の平均は40.1であるのに対し、道府県名と同じ30市の平均は21.4となっている。道府県の名前と同じということは、上位概念のブランド名と同じであることを意味しているが、これが必ずしも消費者から見た魅力の向上には結びついていないことになる。