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BRIレポート

■地域ブランド調査2006[市版]結果発表会 レポート第2弾!
  
記念討論「市の魅力度ランキング分析」を詳報!
  地域ブランドの専門家4氏が結果を分析、“課題と対策”を提示

<1ページより続く>

【写真2】メディアの積極活用を提案する生越氏      [拡大表示]

 討論会では、メディアの積極的な活用にも話が及んだ。

「ラブレター」の観光効果

 生越氏は、「メディアを利用した地域の宣伝で最大の成功例は『ローマの休日』。あの映画に影響を受けてローマを訪れた観光客は何百万、何千万といることだろう。日本にも好例がある。1998年に韓国で小樽市を舞台にした『ラブレター』という邦画が上映されると、その前年まで1000人くらいだった小樽市への韓国人観光客が、3年後に10倍の1万人超に膨れ上がった。こうした例からも映画などは有効だと思う」と、明言。演劇についても、山形出身の主人公の生涯を描いた「京紅ものがたり」に触れ、「公演期間中には会場となった東京の新橋演舞場内で山形県の物産展が催され、観客に産品の試食機会を提供するなど積極的にPRしていた。

■米の購入意欲度 
順位  市名  % 
1  魚沼市  43.8
南魚沼市  25.3
3  秋田市  21.6 
4  新潟市  20.2 
5  山形市  13.7 
     
■肉・肉製品の購入意欲度 
順位  市名  % 
1  米沢市  39.3 
松坂市  33.2 
3  仙台市  16.6 
4  神戸市  12.0 
5  鹿児島市  9.2 
     
■めん類の購入意欲度 
順位  市名  % 
1  喜多方市  39.1 
さぬき市  30.9 
3  札幌市  26.1 
4  旭川市  23.1 
5  盛岡市  20.3 
     
■野菜の購入意欲度 
順位  市名  % 
1  富良野市  10.4 
京都市  8.5 
3  帯広市  7.4 
4  札幌市  6.1 
5  深谷市  5.6 

 都内にアンテナショップを持つ県は多いが、売場を固定せず、協力した映画や演劇の上演会場に出向いて物産展を開くなどの工夫が必要」と、指摘した。

 一方、小出は、メディアを活用する前提として、ブランドネームの重要性を強調。

 「産品の購入意欲度の数字の大きさに着目してほしい。米は魚沼市が43.8%、南魚沼市が25.3%、肉・肉製品は米沢市が39.3%、松坂市が33.2%、めん類は喜多方市が39.1%と、野菜の富良野市(10.4%)などに比べて圧倒的に高い。これは、各市が何を売るかを明確に決めて、自分たちの地名を冠した産品を展開するという、名前に対する戦略性をしっかり持ったことが要因。市町村合併のときも新しく誕生した市名を魚沼市、さぬき市、南アルプス市とするなど、ブランドを意識したネーミングが少なからず見られた。こうした名前を意識したブランド作りは今後不可欠」と言い切った。

 生越氏は、「ブランド戦略で成功した好例は、博多万能ねぎ。命名では『福岡』ではなく、おいしそうな印象を抱く『博多』を選び、農産物で初めてのJALによる定期フライトで関東に輸送するなど高価なイメージ作りに注力した。市場開拓では、まず千葉県君津市に進出。北九州市の新日鉄八幡製鐵所から同君津製鐵所への転勤族が多いことに目を付けた。またブリヂストンが福岡県久留米市と東京都小平市に工場を持つことにも着眼し、小平市のマーケットも狙った。その小さい市場から始めて広げる緻密な戦略のおかげで、青ねぎを食べる習慣のなかった関東でも今ではスーパーに博多万能ねぎが当たり前のように並ぶ」と、実例を示しながら、戦略性に大切さを訴えた。

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2006年10月8日

 


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