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■ブランド戦略を5つにタイプ分け
非食品購入意欲度(いわゆるプロダクツブランド)と魅力度(いわゆるリージョナルブランド)との関係を比較するため、それぞれを縦軸、横軸にとったグラフに779市をプロットしてみた。その結果、5つのグループ(A〜E)に大別することができる。
Aグループは魅力度と非食品購入意欲度のいずれも評価が高い市で、京都市、神戸市、沖縄市など12市から構成されるグループ。魅力度ランキングの上位18位までの市はすべてこのグループに属している。このグループの特色は複数の産品分野で高い購入意欲をもっている、「集積型ブランド」が多い。
強いリージョナルブランドと複数の強いプロダクツブランドが集積し、市の魅力として大きなまとまりを持っている構図であると思われる。これらの市は現在の強いブランド力を低下させないように、ブランドの管理を行うことが重要であろう Bグループは産品の購入意欲は高いが、魅力度はあまり高くないグループで伊万里市、輪島市、備前市など8市から構成されるグループ。焼き物や塗り物など強いブランドの商品を有する「一村一品型ブランド(※)」が多い。一つの分野で突出した強いプロダクツブランドに引っ張られて購入意欲度(非食品)は上位になっているが、他の分野への広がりがないことと、市の魅力度には十分に活かされていない。その突出した強いプロダクツブランドを他の分野の商品や観光などに活用し、地域の活性化や市のイメージ向上に結びつけるかが今後の課題といえる。
Cグループは魅力度は高いが産品の購入意欲度は余り高くないグループ。倉敷市、尾道市、熱海市など6市から構成されている。観光などによる市のイメージが強いが、それが産品の購入には結びついていない(食品が強い場合もあるが)場合が多い「イメージ先行型ブランド」の市が多い。これらの市は、強い市のイメージを活かした特産品等の開発を行なうことにより地域活性化に結びつけることが望ましい。
Dグループは前出のAグループと同じタイプではあるが、魅力度および産品購入意欲のいずれもやや強いタイプで、Aグループと同じ「集積型ブランド」の市が多い。萩市、帯広市、福岡市などから構成されている。ただ、集積型のブランドはややもするとイメージの分散につながっていることもある。特定のコンセプトに選択と集中をした戦略が消費者に対してはインパクトが強い。これは分野に限定するという意味ではなく、イメージやコンセプトを統一することであって、複数の分野を横断した統合的なブランド戦略が効果がある。
Eグループは魅力度と産品の購入意欲のいずれも高くないグループ。この中にはBやC、およびDグループの予備軍ともいえる市が混在している。共通しているのは消費者に対して明確なブランドの構築が十分ではないこと。めざすべき方向性を定めて、本格的な地域ブランド戦略が望まれる。
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2006年12月3日 |
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