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【図2】は「観光資源に対する評価」にみられる3つの類型を表したものである。
Aの≪複数の地域資源が評価されている市≫については、大都市で且つ観光経験度、意欲度共に20位以内に入った市に多くみられる型である。
札幌市は、観光経験度は33.6点で7位で、観光意欲度においては経験度の点数よりも倍以上の68.8点で1位となっている。これは札幌市が多くの潜在顧客を有していると言え、魅力度ランキングにおいても1位となっている。観光資源評価項目の結果はというと、歴史資源の20位以外において全て3位以内に入るという高評価を得ている。これらの3つの資源が札幌市の高評価の要因であるといえよう。
京都市は観光経験度で43.3点の3位に、観光意欲度で58.8点の6位となった。イメージ項目では4つ全ての型で10位以内で、中でも「歴史資源」「サービス資源」においては1位となっている。
小樽市は上記2市と比較して都市の規模という点では格段に小さい市であるが、観光経験度では19位(22.3点)、観光意欲度では5位(60.3点)と大都市有利な中健闘した。観光資源評価項目においても自然、歴史、モノ資源において10位以内となっている。
次にBの≪単一の地域資源が評価されている市≫では様々なタイプの市が該当するのが特徴だ。
大阪市は観光経験度では46.2点で2位だが、観光意欲度では26位(41.8点)と順位を落としている。全国平均では観光経験度よりも観光意欲度の方が高い中、大阪市は逆に点数を下げている。
逆に帯広市は観光経験度では12.6点で119位だが、観光意欲度では43.1点で20位となっている。観光資源評価項目では「自然資源」が9位となっており、このことが観光意欲度の高さと強い関係性を持っているものと考えられる。
また、浦安市は観光経験度では34.3点の5位となっており、観光資源評価項目においては「モノ資源」が10位と最も高い評価を得ている。「モノ資源の中」でも特に「魅力的なテーマパークや施設がある」という設問項目において1位となっている。しかし、観光意欲度では51位となっており、一つの資源が市に対する観光意欲、ひいては魅力度に対して与える影響力の限界を示唆しているのではないだろうか。
最後に3つ目の型はCの≪地域資源が評価されていない市≫についてである。
川崎市は観光経験度において23.7点で17位となっているが、観光意欲度では16.4点で178位にまで順位を大きく落としている。観光資源評価項目では「自然資源」「モノ資源」においてそれぞれ64位、56位と比較的高い順位にあるのだが、それが観光意欲や市の魅力に繋がっていない。因みに「自然資源」の順位の高さについては「交通の便がよい・行きやすい」という地勢が大きく寄与している。これは千葉市にも同様の傾向があり、観光経験度の20位(22.6点)から観光意欲度では185位まで順位を落としている。
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2006年12月10日 |
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