特別分析レポート 第4回
市区町村のイメージに関する考察
■イメージ想起率ランキング 市区町村のブランド力に大きな影響を与えている1つの要因が「観光」であると考えられる。各市区町村の「観光」の強さと、消費者からどのように評価されているのか比較した。 あなたのまちは、全国の人からどのようなイメージを持たれているのだろうか。そもそもイメージしてもらえているのだろうか。地域活性化における施策を講じる際、人々が持つまちのイメージが、施策に与える影響は少なくない。今回は市区町村のイメージに関する考察を行っていく。 市区町村のイメージについては、市区町村に対して、「歴史・文化のまち」「観光・レジャーのまち」など13項目について、該当するイメージを複数回答してもらった(13項目については【図1 市区町村のイメージ回答選択肢】を参照のこと)。イメージ想起率とは、各項目に対して、一つ以上回答している人の率であり、言い換えればその該当市区町村に対して少なくとも何らかのイメージを持っている人の率ということができる。 右表1はイメージ想起率ランキングの全国上位20位である。1位となったのは札幌市で想起率は94.4点。ほぼ全ての回答者が札幌市に対して何らかのイメージを有しているということが言える。 次いで2位は函館市で88.4点。3位は京都市で84.7点と続いている。上位5位のうち4市が北海道内の市となり、北海道の強さが際立った結果となっている。 また、イメージ想起率ランキング上位20市区町について、想起率と魅力度スコアの相関指数を算出したところ、0.882と非常に強い相関があった(その他、認知度、情報接触度との相関も出してみたところそれぞれ0.333、0.517と魅力度ほどの関係性にないことを付記する)。地域の魅力度を形成する上で、地域のイメージが非常に重要であるといえる。 ■ 上位20位のイメージ内訳 上位20位、各市区町村の中で最も高かったイメージについて分類すると「観光・レジャーのまち」の数値が最も高かった地域が、札幌市をはじめ12市区町あった。次いで京都市など6市が該当する「歴史・文化のまち」、渋谷区、名古屋市が「生活に便利・快適なまち」となっている。次いでイメージ想起率を形成する13項目に関して、上位20位の傾向を探っていくと、2つのパターンがあることが分かった。 一つ目は「イメージ突出型」。札幌市や那覇市は「観光・レジャーのまち」の回答者割合がそれぞれ81.1%、60.8%で各イメージ想起率のうち、ほとんどの割合となっている。 もう一つの型が「イメージ分散型」。これは横浜市、渋谷区などが該当する。最も高いイメージ数値のほかにも複数イメージ数値が高くなっている。つまり、地域が様々な面からみられているといえる。
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【表1 イメージ想起率ランキング】
【図1 市区町村のイメージ回答選択肢】
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