■田中章雄のブランド戦略日記 Vol.3
知財功労賞の受賞報告。地域ブランドは有力な知的財産 |
平成20年度の「知財功労賞」として4月18日に経済産業大臣表彰を受賞させていただきました。受賞の理由として挙げていただいたのは「地域ブランド」です。
つまり、今回の受賞は「地域ブランド」が特許や意匠などと同じように、地域固有の「知的財産」として非常に重要であると認められたことになります。その意味で今回の受賞はいま地域ブランドに取り組む行政や地域の事業者の方々にとって、非常に意味があるのではないでしょうか。
具体的な受賞理由には、以下の3点を挙げていただきました。
1.全国で開催された、地域ブランドフォーラムにおいて、数多くの基調講演やシンポジウムのコーディネーターとして活躍。地域団体商標制度活用の重要性を訴えるなど、地域ブランド推進の第一人者として、同制度の普及促進・発展に多いに貢献。
2.地域ブランドマニュアルや地域団体商標取得のためのガイドラインの作成に積極的に協力するとともに、自らも地域ブランドアドバイザーとして多くの地域で活動。
3.種苗管理センターでの知的財産権専門研修をはじめ各地農林水産事業者、公的機関職員等への研修講師として活動、産業財産権制度の普及促進と人材の育成に貢献。
地域ブランドフォーラム等の講演やマニュアル作成、ガイドラインの作成等に関しては、「地域ブランド」という概念を少なからず普及・啓発にお手伝いできたのではないかと思っております。
「地域ブランド」と言いながら、単に地域名を冠した商品開発や、都道府県や合併直後の新自治体のイメージ戦略の域を出ない取り組みも少なくありませんでした。一時的なヒット商品が生まれたり、一時的に観光客が増えたりしても、それが地域の活性化や、地域の持続的な発展につながらなければ、何の意味もありません。
地域ブランドとは高い評価や期待を得ている地域の商品やサービス、そして地域そのものです。つまり「地域の資源を活用し、その地域にしかない魅力的な商品やサービスを作り出して地域の評価と期待を高め、地域の活性化につなげる取り組み」こそが地域ブランド戦略です。
そして導入されてから約2年が経過した地域団体商標に関しても同様で、単に地域名を冠した商品の名前を登録するのだと考えていると、せっかく取得しても活用ができず、宝の持ち腐れになってしまいかねません。
地域資源や地域団体商標をいかに地域の活性化に結びつけるか。それは、近視眼的な戦術で終わるのではなく、地域が目指す将来像やビジネスモデルを視野に入れた長期的な戦略も同時に打ち出す必要があるのではないでしょうか。
最後に、今回の知財功労賞を受賞するに当たり推薦していただいた特許庁ならびに中小企業基盤整備機構の皆様、そして日ごろから多大なご協力とご支援をいただいている経済産業省、農林水産省、弁理士会、発明協会、各自治体、そして各
団体の皆様に、この場をお借りして厚くお礼申しあげます。
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