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BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.15
認定制度は売り上げに直結するか?
〜やらまいか浜松にみる認定制度のあり方を考える〜

 先週は浜松に行ってきました。浜松地域ブランド創出特別委員会による「やらまいか浜松」の認定者連絡会でした。この認定には現在三ケ日みかんなどの自然産物や、うなぎパイなどの銘菓、浜松凧などの伝統工芸など計69品目が認定されています。
 今回はその認定者の連絡会だったのですが、中には「認定されたけど成果がない。もっと主催者はPRすべき」などという厳しい意見もありました。

 この気持ちはわかりますが、この手の認定制度と言うのは、あくまで公的な機関がその地域特有の資源や技術を使った商品であると認定するものであって、直接的に販売に結びつくものではありません。
 つまり、認定しても、それですぐに売れると思ってしまうのは短絡的です。

 もちろん、主催者側は認定制度自体の広報を行い、少しでも認知度を高めようとがんばっています。しかし制度自体の認知度を高めることと、商品が売れることとはほとんど関係ありません。つまり、制度が有名になったとしても、その中でも売れる商品と売れない商品があるわけですから。
 認定された商品が、すべて一様に売れるようになるわけではありません。

 認定されたから 地域ブランドになったという勘違いこそが一番怖いのです。地域団体商標も同じですが、どうも認定されると有名になって、消費者がすぐに購入してくれると考えがち。それはちょっと違うのですね。

 では、どうすればいいのか。それは、「認定」を武器にして、各企業や商品が売っていく努力をしないとだめです。よく、「××セレクションで最高金賞を受賞」と商品やパッケージなどに書いていることがあります。これを書くことによって消費者は品質や味に信頼を置き、売れ行きにつながるのです。
 「認定してくれたから、売ってくれるだろう」などという甘い考えではいけません。認定されたことをもっと事業者が自分自身でPRに活用しなければ、商品の売れ行きにはつながりません。

 ただ、その一方で認定者側にも問題がないわけではありません。
 やらまいか浜松の場合には認定を受けるに当たって選考基準が設定されていますが、日本中に多数ある認定制度の中では、これらが明確に設定されていないものが少なくありません。
 その地域の資源を使い、その地域で作られていたからと言って、それが品質の高さには直接つながりません。また、高い品質であったとしても消費者のニーズとかけ離れていたのでは、人気を集めることにはなりません。
 消費者から見て、「美味しい」「使いやすい」「欲しい」などという評価や期待につながらないような基準であれば、その認定制度自体の魅力が乏しいということになります。

 これは地域団体商標についても同じです。地域団体商標は、第三者に勝手に商標を使われないようにするための権利であって、品質を保証するものではないからです。

 つまりは、認定商品が消費者から高く評価され、それが「ブランド」として認識されるためには、他の商品にはない特徴をもち、購入した人がかならず満足するという保証が不可欠なのです。
 そのために必要な条件とは何か。それを具体化したのが認定基準であるのであれば、その認定制度によって認定された商品は、消費者からの高い支持を集める可能性は高いということになります。

(消費者からみた認定基準作りのお手伝いをしています。ご希望の団体や企業のご担当者の方は、お気軽にご相談ください)

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年7月28日


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