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BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.25
住民はどれだけ環境に配慮した取り組みをしているか
「都道府県別エコへの取り組み調査」より

 各都道府県別に、住民がどれだけ環境に配慮した取り組みをしているかを調査する「都道府県別エコへの取り組み調査」(総回答数21,269人)をインターネットを使って9月26日から29日まで実施しました。
 その結果、最も環境への取り組みに積極的なのは長野県となりました。長野県は「待機電力に気を使っている」が48.1%、「味噌汁の残りなどを下水に流さない」が12.8%でいずれも全国1位でした。同県は県の全機関や企業を対象に環境経営システム「エコアクション21」の導入をするなど、全県的な取り組みが積極的に行われているが、それが住民の環境に対する意識と行動を高めることにもつながっているようです。(予断になりますが、長野県の新聞にはこの調査結果がかなり大きく掲載されたようです) (詳しい調査結果はこちらのニュースご覧ください

 この調査結果は、あくまで13の項目への取り組みが、実際に住民の日常の行動として定着しているかを表したものです。これまで自治体は環境に関したさまざまな取り組みを行ってきました。行動指針の策定やセミナー、イベントなどもそのひとつです。
 しかし、それが住民の環境活動として定着するためには、大きな壁もあるようです。ランキングの下位になった都道府県の場合でも、自治体は決して何もしていないわけではなく、かなり積極的に取り組んでいるケースも少なくありません。
 実際にランキングを発表した直後に、「自治体として環境への取り組みはしっかり行っているつもりなのに、順位が低いのはなぜ?」という質問をいくつかの新聞社から受けました。それには理由があるのです。

 私たちは日経BP社主催の「環境ブランド調査」の実査も行っておりますが、これは消費者からみた企業(対象は大手企業や環境に熱心な560社)の環境活動のイメージ等を評価するものです。
 一方、日経新聞が「環境経営度調査」という調査を行っています。これは各企業が実際にどのような環境への取り組みをしているかをアンケート調査をし、それを集計したものです。
 つまり、企業の環境活動を消費者側から評価したのが日経BPの「環境ブランド調査」で、企業側からの取り組みで評価したのが日経新聞の「環境経営度調査」というわけです。

 この2つの調査結果のランキングを比較すると、かなり順位が異なっているのです。つまり環境経営度調査で上位企業が、かならずしも環境ブランド調査で上位ではないのです。
 企業の取り組みの評価が高いが、消費者からの評価が低い企業は、その取り組みが消費者視点になっていない場合が少なくありません。あるいは、自分たちの取り組みを十分に情報発信していない場合もそうです。

 今回の「都道府県別エコへの取り組み調査」も同様で、各自治体ではしっかりと取り組んでいるつもりでも、実際の住民の行動につながっていない場合は、自治体の方針が必ずしも住民視点になっていない可能性があります。あるいは、自治体で決めた内容や取り組みを、十分に情報発信し、住民に伝わっていない可能性もあります。

 長野県の場合は、前述したように「エコアクション21」を設定していますが、その内容としては、県下各地で「統一美化キャンペーン(ゴミゼロ運動の日)」や、「環境にやさしい買い物キャンペーン」など、かなり具体的なアクションを実施し、それが確実に定着してきている結果ではないかと思います。

◆環境への取り組みが盛んな都道府県の上位ランキング
順位 都道府県 得点
1 長野県 36.4
2 京都府 35.8
3 東京都 35.7
4 滋賀県 35.1
5 長崎県 34.9
5 福島県 34.9
5 山梨県 34.9
8 福岡県 34.6
8 宮城県 34.6
8 山形県 34.6

  10位以下のランキングおよび各項目ごとのランキングは以下のリリースまたはニュースのページをご覧ください(内容は同じです)

◆調査結果のリリース
http://www.tiiki.jp/corporate/news_release/2008_11_06.html
http://www.tiiki.jp/news/org_news/13survey/2008_11_09ecosurvey.html

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年11月10日


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