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BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.16
地域ブランド調査スタート!
〜調査結果の活用するポイントは?〜

 今年も恒例の「地域ブランド調査」が始まりました。これは全国1000の市区町村に対して、消費者3万人が徹底的に評価をする調査。地域ブランドの調査として日本で唯一の大規模調査で、今年が3回目です。
 昨年の調査では札幌市が2年連続で魅力度1位となりましたが、今年3連覇を達成するのでしょうか? それとも京都、横浜、神戸の逆転はあるのでしょうか?
 京都市は観光客5000万人の勢いで観光意欲と魅力度が急上昇しています。一方、横浜は開港150周年を目前に控え積極展開中。そして一昨年の2位から昨年はやや順位を落とした神戸市の復活はなるか。上位ランキングの興味は尽きません。

 テレビや新聞ではこの「魅力度」のランキングが大きく取り上げられますが、これは自治体のブランドプレミアムを示す総合指標として位置づけています。しかし、それ以外にも様々な指標から構成しています。
【評価指標】(市区町村に対する評価)
・認知度 ・・・知っているか(5段階評価)
・魅力度 ・・・魅力を感じるか
・観光意欲・・・観光や旅行に行きたいか
・居住意欲・・・住んでみたいか
・産品購入意欲・・・買いたい食品・産品

【行動指標】(具体的な行動)
・情報接触・・・過去1年間に情報や話題を見聞きしたか
・情報経路・・・何から情報を得たか(ドラマ、物産展、HPなど15種別に)
・訪問経験・・・過去5年間に訪れたことがあるか(観光、ビジネスなど11の目的別に)

【イメージ指標】(イメージと地域資源への評価)
・まちのイメージ・・・「歴史・文化のまち」など13項目から選択
・地域資源・・・食事、自然、スポーツ、宿泊施設など15項目から

 10の指標は、市区町村自体(Rigional Brand)と、産品・観光・居住のブランド構成要素(Products Brand)のそれぞれの視点を、実際の行動とイメージなどから評価をするように設計したものです(指標の数は全部で60もあります)。
 実際、魅力度のランキングと、それぞれの指標のランキングとは、順位がかなり違います。例えば観光意欲の上位ランキングは1位が札幌市、以下は順に函館市、京都市、小樽市、那覇市、横浜市、神戸市、富良野市、鎌倉市、別府市と北海道が大奮闘。
 しかし居住意欲ランキングは1位が横浜市、以下は鎌倉市、神戸市、京都市、札幌市、世田谷区、福岡市、軽井沢町、芦屋市、函館市の順で、大都市圏の都市への評価が高いようです。

 それから興味深いのは、観光意欲と観光経験にはかなり差があること。例えば観光意欲は高いのに観光経験が低いということは、ひとつには交通や情報など実際の訪問に当たっては課題(阻害要因)があるということです。しかし、言い換えればその阻害要因に対処すれば観光集客を高めることができる、すなわち将来性は高いということになります。これは産品についても同様です。

 つまり、この調査は単に結果を見るのではなく、次のように活用することができるのです。
1.各市区町村の消費者からの評価を知る
2.地域資源やイメージなどの市町村への期待を知る
3.この2点からブランド戦略上、地域が取り組むべき課題を明らかにする
4.その評価の変化を知り対策を立てる(または施策の評価)

 さて、いま調査を実際に実施している最中で、その調査結果は9月中旬にメディア発表しますが、それに先立ち、調査報告書(有料)の申し込み受け付けを8月1日(金)より開始しました。
 今年は例年通り総合報告書と個別報告書のセット(98,000円、単体での販売もあり)のほか、ご要望にお応えして、各地域にお伺いしての出張報告会(セミナー)の実施や、個別の市区町村の結果を分析して課題を明らかにする個別の調査分析報告書「ブランドの状況と課題」の作成なども行います。

 ブランド戦略には、消費者からどのように評価・期待されているかを知ることは不可欠です。しかし、市町村が新たに調査をするには多くの時間と費用がかかってしまいます。そこでこの調査を活用すれば、時間と費用は大幅に削減でき、また多くの市町村との比較などから客観的な結果を知ることが出来ます。
 私や弊社のスタッフの全力をかけたこの調査を、ぜひともご活用をお願いします!

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年8月4日


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