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BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.22
「食品は豊富な札幌が逆転1位。宮崎は急上昇7位へ」
〜地域ブランド調査のランキング分析(3)

 今週は「地域ブランド調査2008」の結果から、食品購入意欲を紹介します。
 「以下の市の中で買いたい食品をお答えください」という設問で、実際に回答者が買いたいと思う食品を各市3つずつまでピックアップしてもらいました。そのピックアップされた商品数を集計してランキングしたのが下の表です。なお、数字は回答者100人あたりの想起された商品点数。つまり例えば札幌市は回答者100人あたり67個の商品が想起されたことになります(したがって理論上の満点は300)。

 その結果、食品購入意欲1位、すなわち「買いたい食品」が最も多く書かれたのは札幌市でした。札幌市は昨年1位の夕張市を逆転して初の1位となりました。またその想起数は昨年の54.5点(回答者100人当たり)から67.0点へと大幅に増加しました。札幌市で想起された商品は、カニ、イカなどの海産物と、じゃがいも、とうもろこしなどの農産物、ラーメンや白い恋人などの食品加工品な、多くの商品が多数想起されています。ところが札幌市内で生産・製造されていないものが少なくない。つまり、札幌市の場合はどうも北海道全体の地域資源がまとめて想起されているです。言い換えれば札幌市には北海道の魅力がまるごとつまっている。これは道都としての特徴のようです。

 一方、2位となった夕張市はその大半がメロンで、札幌市とはまったく異なった状況となっています。単品での想起率を比較してみると「夕張メロン」が圧倒的に1位ということになります。まさに食品ブランドの横綱といえる結果です。ちなみに夕張市の食品の想起数は、昨年の59.2から今年は61.9へと上昇。財政再建団体になっても夕張メロンの魅力は失せることはないようです。

 食品購入意欲ランキングで上位になった自治体をタイプ分けすると、名古屋市、京都市、仙台市、福岡市などは札幌市と同じように多くの食品が想起されています。一方で、米沢市(米沢牛)、魚沼市(コシヒカリ)、宇治市(茶)、宇都宮市(ぎょうざ)、喜多方市(ラーメン)、松阪市(牛)などは夕張市のようにほとんどが単一の産品に想起が集中しています。
 つまり地域ブランドを作る場合、このように単一の強い商品を作るケースと、複数の商品で融合的に作る場合の二つのタイプがあるということになります。

順位  市区町村  都道府県 食品購入意欲(想起数)
1 札幌市   北海道   67.0
2 夕張市   北海道   61.9
3 函館市   北海道   51.3
4 名古屋市  愛知県   47.0
5 京都市   京都府   42.9
6 米沢市   山形県   42.8
7 宮崎市   宮崎県   42.6
8 仙台市   宮城県   41.6
9 魚沼市   新潟県   38.7
10 福岡市   福岡県   38.0
11 小樽市   北海道   37.5
12 宇治市   京都府   36.6
13 甲府市   山梨県   35.0
14 つがる市  青森県   34.1
15 宇都宮市  栃木県   33.7
16 長崎市   長崎県   33.5
16 那覇市   沖縄県   33.5
18 喜多方市  福島県   33.3
19 青森市   青森県   32.9
20 松阪市   三重県   32.1

 「地域ブランド調査2008」の調査概要や、その他の情報は、以下のサイトでご覧ください。なお、弊社では結果をまとめた「総合報告書」のほか、各市町村の個別の結果をグラフや表などでまとめた「個別報告書」も販売しておりますので、ぜひご活用ください。 http://tiiki.jp/survey2008/

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年10月22日


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