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BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.21
「住みたいまち1位は3年連続で横浜市」
〜地域ブランド調査のランキング分析(2)

  居住意欲度1位、すなわち「住みたいまち」の全国1位は3年連続で横浜市。同市は昨年の居住意欲は25.8でしたので、この1年間でさらに居住意欲は高まっていることになります。  2位は鎌倉市。こちらも昨年と同順位ですが居住意欲は昨年の25.5から22.4へと低下しました。一方、3位は札幌市で昨年の5位から上昇。4位は神戸市、5位は京都市といずれも昨年より順位をひとつずつ下げました。また6位仙台市は昨年11位からの大幅上昇となりました。

 ランキングの上位に並んでいる市区町村は、大きく3つのタイプに分けることができます。すなわち、横浜市、札幌市、神戸市などの「政令指定都市型」と、鎌倉市、世田谷区、港区、芦屋市などの「高級住宅地型」、そして軽井沢町、函館市などの「人気観光地型」です。

 さらに、これらの3つのタイプを回答者の属性分析を行うと、実に興味深い結果が浮き彫りになってきます。  たとえば1位の横浜市は回答者の年代別の居住意欲を見ると、20代や30代からの評価が他の年代より高くなっています。この傾向は札幌市、神戸市も同じなので、「政令指定都市型」の市は若い世代からの居住意欲が高いという共通点があるようです。つまり、若い世代は居住に対して都会的なまちに対するニーズが強いということなのかもしれません。

 ところが2位の鎌倉市は、もっとも居住意欲が高かったのは60代で、逆にもっとも低かったのは20代。年齢が高くなればなるほど居住意欲が高くなるという結果になっています。これは芦屋市もほぼ同じ傾向で、どうやら「高級住宅地型」に共通する特徴のようです。つまり、年齢が高くなるほど「住宅地」としてのゆとりとか落ち着きなどを求めるのはないでしょうか。

 では「人気観光地型」はどうでしょうか。軽井沢町の場合は、どの年代層もほぼ同じ居住意欲となっている中で、20代と50代が他の世代より高いという結果に。これは小樽市、函館市、那覇市、沖縄市、石垣市のいずれの場合も同じです。つまり人気観光地型の場合は、20代と50代が特に居住に対する期待が高いということになります。

 居住意欲は、まちとして将来的な定住人口を占うのに不可欠な要素です。今回は年齢別でだけ分析をしてみましたが、回答者の居住地別、ライフスタイル別に各市町村の結果を分析すると、そこから消費者が感じている魅力や、逆に不満に思っている課題の両方が見えてきます。これらを理解・把握し、まちづくりの計画に生かしていくことが重要でしょう。

順位 都道府県  市区町村  
1 横浜市   神奈川県  28.1
2 鎌倉市   神奈川県  22.4
3 札幌市   北海道   22.1
4 神戸市   兵庫県   21.5
5 京都市   京都府   21.1
6 仙台市   宮城県   16.9
7 軽井沢町  長野県   16.4
8 函館市   北海道   15.8
9 石垣市   沖縄県   15.7
9 福岡市   福岡県   15.7
11 世田谷区  東京都   15.5
12 那覇市   沖縄県   15.1
13 港区    東京都   14.9
14 芦屋市   兵庫県   14.6
15 沖縄市   沖縄県   14
16 品川区   東京都   13.8
17 金沢市   石川県   13.5
18 小樽市   北海道   13.4
19 茅ヶ崎市  神奈川県  13
19 名古屋市  愛知県   13

 「地域ブランド調査2008」の調査概要や、その他の情報は、以下のサイトでご覧ください。なお、弊社では結果をまとめた「総合報告書」のほか、各市町村の個別の結果をグラフや表などでまとめた「個別報告書」も販売しておりますので、ぜひご活用ください。 http://tiiki.jp/survey2008/

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年10月14日


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