地域団体商標
 
 

Google ホームへ

ニュース検索
サイト内検索
 

このサイトは、BRI ブランド総合研究所が運営しています<会社情報> お問い合わせは専用フォームでお寄せください

BRIレポート

田中章雄のブランド戦略日記 Vol.5
中国大震災とリブランディング

 いま、長崎に来ています。
 台風一過ですごくいい天気ですが、その台風は東の方に進んでいて、東京近辺はすごい状態のようです。しかしそんな台風とは比較にならないのが中国大震災。
 発生から一週間が過ぎましたが、被害者の数は増える一方。最初からとんでもない状態であることが予測されながら、聖火リレーを行う理由がわかりません(哀悼日からの3日間は中断しているようですが)。それともここまでの被害を予想しなかったということなのでしょうか?

 さて、それまでのチベット問題に端を発した中国批判とは一転して、世界中から中国に救済の手を差し伸べています。すぐに対応できなかった中国政府に批判もありますが、いまは復旧活動を行っています。しかし同じように重要なのは、被災後です。
 ずたずたになったライフラインの復旧、被害者への援助など。そしてもうひとつは観光や産業の復活などにつながるリ・ブランディングです。
 日本での例を挙げると、昨年7月に実施した「地域ブランド調査」の結果では、その年の3月に被災したばかりの石川県の輪島市の魅力度が65位から24位へと急上昇、魅力度上昇では第一位となりました。特に観光に「ぜひ行ってみたい」と答えた人が前年の9.1%から24.4%へと急増しています。これは再三報道された輪島の古い町並みや、人々たちの懸命の復旧活動、そして少しずつ復旧している姿(例えば再開した朝市など)を見て、その姿に感動を受けたのではないでしょうか。
 よく、「ブランド戦略は失墜して初めて本気で始まる」といいます。白い恋人の石屋製菓や、赤福など、いずれもブランドが失墜する事件を起こしましたが、そのどん底のときに社内で徹底した議論をし、厳しい管理ルールを作って巡視しようとしています。こうしたことでブランドを再構築するわけです。

 話は戻って、日本でも「四川料理」でなじみの深い中国四川省はもともと高い知名度がありましたが、この地震でそのイメージがどう変わるか。そして毒入り餃子やチベット問題などで地震直前の中国のイメージはかなり低下していたと思います。
 この地震からの復興と、その後の取り組みで、中国とそして四川省のブランドをもどのように復興していくのかに気になります。

コラムの内容についてのご意見やご質問、そして情報などは何なりと 田中(tanaka(AT)tiiki.jp)までメールでお送りください。 ※メールのあて先は(AT)を@に置き換えてお送りください。
 

2008年5月20日


バックナンバー:
Vol.29 究極のグルメ・コラボレーション開催!
〜世界の注目を浴びる3名の天才シェフによる夢の料理祭典〜
(2009年1月28日)

Vol.28 「いい芳賀いちご夢街道」 最高級のとちおとめ (2009年1月28日)

Vol.27 美味しいだけじゃブランドにはならない (2009年1月13日)

Vol.26 地域ブランドをめぐる2008年の10大ニュース(2008年12月24日)

Vol.25 住民はどれだけ環境に配慮した取り組みをしているか 「都道府県別エコへの取り組み調査」より (2008年11月10日)

Vol.24 「電子メールは地域活性化に不可欠!」〜メールの悩み10選。情報過疎化とイメージダウンにご注意を〜(2008年11月4日)

Vol.23 地域ブランド調査2008、「産品は伊万里市が1位、輪島は2位に。富良野と小樽は上昇」 (2008年10月27日)

Vol.22 地域ブランド調査2008、「食品は豊富な札幌が逆転1位。宮崎は急上昇7位へ」 (2008年10月22日)

Vol.21 地域ブランド調査2008、「住みたいまち1位は3年連続で横浜市」 (2008年10月14日)

Vol.20 地域ブランド調査2008、観光意欲度ランキングでトップは? (2008年10月6日)

Vol.19 汚染米の事件、その原因と対策はどうあるべきか (2008年9月18日)

Vol.18 豪雨の名古屋で垣間見た、一流ホテルのプロ意識 (2008年9月1日)

Vol.17 夏の日の怖いECサイトの大事件!
〜企業イメージをどん底に陥れる致命的な4つの失態〜
(2008年8月19日)

Vol.16 地域ブランド調査スタート!
〜調査結果の活用するポイントは?〜
(2008年8月4日)

Vol.15 認定制度は売り上げに直結するか?
〜やらまいか浜松にみる認定制度のあり方を考える〜
(2008年7月28日)

Vol.14 「わが町 かながわ 小旅行」に参加して (2008年7月22日)

Vol.13 認知度とブランドを履き違えるな! (2008年7月14日)

Vol.12 熱気に満ちた「農商工連携フォーラム」の参加報告(2008年7月7日)

Vol.11 ビールとラーメンに衝撃! 農商工連携について語るフォーラムの前情報(こそっ)(2008年6月30日)

Vol.10 中国で申請される地域名や地域産品の商標の横取り問題 (2008年6月23日)

Vol.9 地域ブランド・ブログの作り方 (2008年6月16日)

Vol.8 ご当地ヒーローの効果  (2008年6月9日)

Vol.7 観光地域経営フォーラムが始動
〜着地主導型の新たなビジネスモデルを検討・事業化へ〜
 (2008年6月2日)

Vol.6 自販機より心のこもったサービスを  (2008年5月26日)

Vol.5 中国大震災とリブランディング (2008年5月20日)

Vol.4 水道完備の屋台・久留米はB−1の舞台に! (2008年5月12日)

Vol.3 知財功労賞の受賞報告。地域ブランドは有力な知的財産 (2008年4月21日)

Vol.2 永平寺が九頭竜川に「川の駅」構想
〜一過性のイベントから定常的な魅力作りへ〜
 (2008年4月14日)

Vol.1 平成20年度のブランド戦略の動向 (2008年4月7日)


 


注目記事


Copyright (C) 2008 Brand Research Institute, Inc.